ビーチバレーボール

「アクティオ・ワイルドカード」でジャパンツアーに挑んだ大学生たちの夢

「アクティオ・ワイルドカード」でジャパンツアーに挑んだ大学生たちの夢

東京オリンピック後から始まった「アクティオ・ワイルドカード」は、今年4年目を迎えました。この出場権利は、大学選手権の冠協賛である株式会社アクティオ様より、大学生たちに「いち早くトップレベルを体感し強化を図ってほしい」「大学からトップへの道筋を作りたい」という想いからご支援をいただき導入されたものです。

これまで16名の精鋭が「アクティオ・ワイルドカード」で国内最高峰のジャパンツアーに出場。そのほとんどの選手がビーチバレーボールを継続し、プロ選手や社会人プレーヤーとして活躍しています。
今年は大学選手権で優勝した今井駿世/坂東巧望(国士舘大学)組、石川とわ/松﨑伊吹(日本体育大学)組が、「ジャパンツアー第5戦マイナビ青森大会」に出場しました。

▲ジャパンツアーの舞台を振り返る坂東選手

 

昨年は女子の伊藤桜/野口彩陽(当時産業能率大学)組が大学生チームとして初の最終日に進出するなど、プロチームを脅かす実力を発揮しました。その輝かしい功績に続き、今年は男子において今井/坂東組が1回戦を突破し、準決勝ではプロチームにフルセットゲームを展開。敗れたものの3位タイとなり「アクティオ・ワイルドカード」男子初の表彰台へ上がりました。

坂東選手は「観客席にはお客さんがたくさん入って歓声が聞こえてきたので、気分は最高でした。だからこそ、勝ちたかったです」とトップの舞台を踏みしめたうれしさと悔しさを一度に味わいました。

大学ビーチバレーボールのレベルが向上していることを実証した「アクティオ・ワイルドカード」。しかし、出場を果たした大学生たちの挑戦は、ここで終わりません。ビーチバレーボールに夢を抱く選手たちのそれぞれの物語は、まだ始まったばかりなのです。

▲また戻ってきたいと話す今井選手

 

自身初のジャパンツアーで最終日を経験し、収穫と課題を手にした今井選手は戦いを振り返りました。
「準決勝の1セット目はブロックが完成する前に打とうという意識を持って挑み、強打がよく決まったと思います。2セット目からは対応されてブロックで止められるようになりました。自分たちもそこで新たな対応ができなかったことがプロチームとの差。大学レベルでは勢いがあれば勝てていた試合も、プロ相手となると考えて戦っていかないといけないことがわかりました。次に挑戦するときも最終日の舞台に立って戻ってきたい」と心に誓っていました。

パートナーの坂東選手は、今後は国内大会だけではなく、国際大会にも挑戦したいと目を輝かせていました。
「大学に入ってから海外のビーチバレーボールの映像を見るのが好きで、その選手たちといつか戦ってみたいと思っていました。だからこそ、世界を転戦している日本のトップ選手たちが出場しているジャパンツアーの試合経験は貴重なものとなりました。自分の武器を磨いていつか、世界で通用する選手になりたいです」

▲教員を目指す石川選手

 

1回戦で国内トップクラスのプロチームと対戦し今回の経験を後進の指導に活かしていきたいと話すのは、石川とわ選手。「将来は出身地の愛媛県で教員になって、今後はビーチバレーボールを教える立場として競技に携わっていきたいです。今年目標にしていた大学選手権優勝とジャパンツアー出場で学んだことは、必ず役に立つと思います。機会をいただけたことに感謝の気持ちを忘れず、この経験を選手の育成に活かしていきたい」

石川選手の背中を追ってきた松﨑選手は現在大学1年生。試合後、すでに来年の大学選手権を見据えてまっすぐな眼差しでインタビューに応えてくれました。

▲先輩の背中を見てきた松﨑選手

 

「来年も大学選手権で優勝してジャパンツアーの切符を掴んで出場したいです。心技体を磨いて、今よりも成長した自分の姿を見せられるように」

トップツアーへの挑戦を経てそれぞれの夢を語ってくれた大学生たち。ここで芽生えた想いを実現すべく、力強い一歩を未来へ踏み出しました。