ジャパンツアー第4戦立川立飛大会 優勝は男子・石島/庄司組、女子・伊藤/畑辺組 オリンピアン村上めぐみは今大会で現役引退
1日目に続き、ナイター開催&Crown of the beach方式で行われた立川立飛大会2日目。変更があったのはCrown of the beachによる選考方法で、1日目はラウンドが1→2→3と進むごとに1位になったチームが勝ち抜けていましたが、セミファイナル(5チームエントリー/ラウンド1~3)ではラウンド1、2で最下位となったチームはそこで敗退が決定。ラウンド3で1位になったチームのみが決勝に進み、ラウンド3で勝ち上がれなかった2チームは、4チームでファイナル進出2枠を争うプレイオフ(ルーザーマッチ)に回ることとなります。
そしてファイナルではラウンド1(リミット11分または9点先取)とラウンド2(リミット8分または7点先取)を行い、まずラウンド1で最下位になったチームが脱落します(この時点で4位が確定)。そしてラウンド2に残った3チームの順位によって優勝、準優勝、3位が決まるのです。
男子でファイナルまで駒を進めてきたのは、上場雄也(松戸レガロ)/長谷川徳海(ハウスコム株式会社)組、水町泰杜(トヨタ自動車株式会社)/Maj Nanut(Ludus Beach Park Ljubljana・スロベニア)組、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/庄司憲右(ハウスコム株式会社)組、林聖瑠(国士舘大学)/松井晴皆(Palm)組の4チーム。このうち上場/長谷川組、水町/Nanut組がセミファイナル1位通過、石島/庄司組、林/松井組がプレイオフを勝ち上がってのファイナル進出でした。
その男子ファイナルのラウンド1、まず脱落したのは上場/長谷川組です。続いて行われた優勝~3位が決まるラウンド2では、「ルール的に序盤でスタートダッシュを切れるかどうかが勝ち上がる要因になってくるので、序盤は集中してCrown courtに行くこと、そしてCrown courtに長く滞在することを意識していました」と言う石島/庄司組が5点と抜け出すことに成功(この時点で水町/ Nanut組は1点、林/松井組は0点)。その後も石島/庄司組は「相手がどうこうというより、自分たちのいいプレー、お客さんに盛り上がってもらえるようなプレーをしていこう」と目の前の1ポイントに集中したことで、7点を先取し優勝(準優勝は水町/ Nanut組、3位は林/松井組)。第1戦平塚大会に続き今季2勝目を獲得しました。
男子優勝の石島/庄司組
その石島/庄司組にはあと一歩及ばなかったものの、ファイナルのラウンド1では首位になるなどポテンシャルの高さを見せたのが水町選手です。本格的にビーチに取り組み始めてまだ約3か月ですが、「ボールが落ちる寸前に砂に飛び込んでぎりぎりでレシーブをつなげるプレーやブロッカーとスパイカーの駆け引き、2対2の組織的な駆け引きといったものがあるだけでなく2人でプレーするからこそ、ペアのために熱い気持ちになれるいいスポーツだと思います」とビーチの魅力に虜になっている様子。今後は8月3日~4日に行われるサテライト高萩大会に出場を予定しているとのことです。
高いポテンシャルを発揮する水町
女子ファイナルは、準決勝を1位通過した酒井春海(株式会社甲斐組)/菊地真結(トーヨーメタル株式会社)組と伊藤桜(日本通運株式会社)/畑辺千代(フリー)組、プレイオフを勝ち上がった橋本涼加(トヨタ自動車株式会社)/村上礼華(ダイキアクシス)組とYa-Hsuan Yu/Tzu-Yi Pan(ともにチャイニーズタイペイ)組の争いに。そしてラウンド1でYa-Hsuan/Tzu-Yi組が脱落し、ラウンド2の結果、優勝は伊藤/畑辺組、準優勝は酒井/菊地組、3位は橋本/村上組となりました。
伊藤/畑辺組はペアとしては今回がジャパンツアー初出場でしたが、コンビのよさを見せて初優勝。伊藤選手にとっては個人としても今回が初優勝で、畑辺選手にとっては2018年第6戦大洗大会以来2度目の優勝です。試合後、「苦手な試合形式でしたが、(畑辺)千代さんが声かけをしてくれたり、ツーや相手の嫌がるスパイクなどプレーや戦術の面でも引っ張ってもらって勝つことができました」(伊藤選手)、「伊藤選手が砂まみれになるまで諦めずにボールを追いかけている姿を見て、私も頑張らなきゃと思ってプレーしていました」(畑辺選手)と、お互いの健闘を称え合っていました。
女子優勝の伊藤/畑辺組(レシーブをするのが伊藤)
こうして男子・石島/庄司組、女子・伊藤/畑辺組の優勝で幕を閉じた立川立飛大会ですが、今大会を最後に17年間のビーチ活動に終止符を打ち現役引退したのが村上めぐみ選手(株式会社立飛ホールディングス)です。最後の大会は、浅野美波選手(フリー)と組んで最終結果は5位となりましたが、「引退を決断したのは今年の第1戦平塚大会が終わったときです。パートナーだった辻村りこ選手(ANAエアポートサービス株式会社)がペアを変えるという話になり、このままプレーを続けるよりも他のところのほうがみんなの力になれると思って引退を決意しました」と村上選手。
一番思い出に残っていることは、「東京2020オリンピックに出場したことと言いたいところですが、オリンピックを目指すきっかけとなったスイスでの試合です。5位だったのですが、選手と周りの観客との一体感に心が震えたことを今でも覚えています」と言う村上選手は、機動力を生かしたディグやクレバーなオフェンスを武器に「最小最強プレーヤー」「世界最小の忍者プレーヤー」とも呼ばれました。今後は小学校を回ったりコーチをしたりなど、ビーチバレーボールの普及や強化の活動をしていくとのことです。
今大会を最後に引退する村上