ビーチバレーボール

ジャパンツアー第4戦立川立飛大会 初のナイター開催&Crown of the beachの採用 そして初参戦の水町泰杜が躍動

ジャパンツアー第4戦立川立飛大会 初のナイター開催&Crown of the beachの採用 そして初参戦の水町泰杜が躍動

立川立飛大会は
①ナイター開催
②Crown of the beach(Queen & King of the court方式を参考とした)

での試合と、ジャパンツアーとしては2つの新しい試みでの開催となりました。

このうち①ナイター開催となったのは、夏の季節の日中の暑さを避けるため。実際、1日目の昼間は太陽が照りつけ最高気温が31℃まで上昇。運動するには厳しい状況でしたが、試合が始まった17時には曇りの天候となったため強い日差しもなくなり、気温は27℃まで降下。その後も夜が更けるとともに26℃、25℃と気温が下がり、時折涼しい風も吹く中、選手は快適な環境で試合をすることができました。

そして②Crown of the beach方式は、複数チームが時間制でポイントを争うというもの。コートをCrown court(王者コート)とChallenge court(挑戦者コート)に分け、サーブはChallenge courtからのみ行い、1ポイントずつ対戦相手を変えていきます。Challenge courtからCrown courtに移動するにはブレイクが必要で、得点はCrown courtにいるときにしか発生しません。

少し複雑なので、実際に男子グループAの5組、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/庄司憲右(ハウスコム株式会社)組、伊藤遼河(梅畑家)/佐藤亮太(テクノスジャパン)組、林 聖瑠(国士舘大学)/松井晴皆(Palm)、平良伸晃(KBSC)/源田アシュリー(嘉悦大学)、水町泰杜(トヨタ自動車株式会社)/Maj Nanut(スロベニア)の戦いがどのように進行したかで説明します。

くじ引きで最初にCrown courtに入ることになったのは平良/源田組。残りの4組がChallenge courtからサーブを打って1ポイントずつ交代で戦うのですが、まずサーブ順1でコートに入ったのは水町/Nanut組(この順番もくじ引きで順番を決めます)。その水町/Nanut組はいきなりブレイクに成功。水町/Nanut組がCrown courtへ、平良/源田組がChallenge courtへ移動します(この時点では得点は入りません)。続くポイントでは、Challenge courtからサーブをした林/松井組がブレイクし、林/松井組がCrown courtへ、水町/Nanut組はChallenge courtへ(ここでも得点は入りません)。そして次にChallenge courtに入ったのが伊藤/佐藤組で、Crown courtの林/松井組がサイドアウトでポイント。ここでようやく林/松井組に1点が入りました。その後Challenge courtに石島/庄司組、平良/源田組、水町/Nanut組が入りましたが、どの対戦でも林/松井組がポイントを取り4得点とリードを広げていきました(この時点では他の4組はすべて0点)。

こうして対戦相手を1ポイントずつ入れ替えながら戦い、決められた時間&得点によりそのラウンド(同グループ内でラウンド1~3を行う)の勝者を決めます。ラウンド勝者はその時点で明日行われる準決勝への進出が決まり、続くラウンドには出場しません。今回、ラウンド1はリミット13分または10点先取(13分経過時点で一番得点の多いチームor先に10得点したチームの勝利)、ラウンド2はリミット11分または9点先取、ラウンド3はリミット8分または7点先取という規定でした。上記の男子Aグループでは、ラウンド1で林/松井組、ラウンド2で水町/Nanut組、ラウンド3で石島/庄司組が勝利しています。このラウンド3までに勝ち上がれなかったチームは、2日目進出をかけて全グループ戦終了後に順位に応じたプレイオフ1、2を戦いました。

躍動する水町

 

このCrown of the beachについては、女子の松本恋/松本穏(ともにフリー)組が「試合のリズムが速く、Crown courtでは時間がない中でいろんなタイプのサーブに対応しなければなりません。いかにサーブレシーブを返せるか。頭の切り替えが大切になってくると思います」とコメントしているように、サイドアウトを得意とするチームが明日の準決勝以降も強さを発揮すると思われます。

こうして新しい2つの方式が採用された立川立飛大会ですが、出場選手という面でも、男子の水町選手、女子の栗沢優菜/笹渡美海(ともに産業能率大学)組という新しい風が大会を盛り上げました。

このうち水町選手は今年4月にビーチへの本格参戦を宣言。5月頭からスロベニアを拠点に遠征合宿を行い、今回がジャパンツアー初参戦となりました。鎮西高校時代や早稲田大学時代に武器としていたパワフルなサーブやスパイクは砂上でも健在で、「3本ぐらい連続得点できたことでリズムをつくることができました」と上記のようにグループAラウンド2でトップとなり明日の準決勝へ駒を進めました。「いつもの試合形式と違いますが、基礎的なレシーブ、セット、スパイクはすごくよかったと思います。それでもセットが一番難しいですね。風で動いたりするので、まだまだ練習が必要です。またCrown courtにいるときに少し焦ってレセプションが低くなったりしましたが、そこを修正できれば明日はもっとよくなると思います」と意気込みを語ってくれました。

一方、栗沢(大学3年生)/笹渡(大学2年生)組は、栗沢選手がジャパンツアー初出場、笹渡選手が今年の第1戦平塚大会に続く2戦目で、ペアとしては初出場となりました。「緊張よりワクワクが勝っていました」と言う栗沢選手がサウスポーから放つストレートへのスパイクやカットショットが効果的に決まっただけでなく、「いつも一緒に練習しているので、いい感じで意思疎通ができています」と言う笹渡選手が攻防で機動力を生かしたプレーを披露し、ラウンド3では2位に入る健闘を見せました。しかしその後、残り1枠をかけたプレイオフを勝つことができず、「悔しすぎます」と栗沢選手。それでも「自分たちのいいところを発揮できましたし、課題も見つかりました」(笹渡選手)と、今後のジャパンツアーへの手応えを感じているようでした。

産能大 笹渡