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ブラジルにフルセットで勝利、初のネーションズリーグ決勝へ

ブラジルにフルセットで勝利、初のネーションズリーグ決勝へ

「バレーボールネーションズリーグ2024」の準決勝が6月22日(土)にバンコク(タイ)で行われました。

FIVB世界ランキング7位(試合開始前時点)の女子日本代表チームは、同1位のブラジルと対戦し、セットカウント3-2(26-24、20-25、25-21、22-25、15-12)で勝利。パリ2024オリンピック予選ラウンドで同組のブラジルとの一戦をものにして決勝進出を決めるとともに、本大会初のメダルが確定しました。女子日本代表チームのオリンピックおよび国際バレーボール連盟主催大会でのメダル獲得は、2014年のワールドグランプリでの銀メダル以来、10年ぶりです。

 

決勝進出を懸けて対戦するのは、直近3試合でフルセット負けを喫しているブラジル。パリ2024オリンピックの前哨戦として勝利を収めたいところです。

第1セット、日本は荒木彩花選手のブロックポイントと山田二千華選手のサービスエースで2点を先取します。リベロ・福留慧美選手の好レシーブから得点し5-1とリードすると、石川真佑選手の好レシーブから林琴奈選手が決めて7-2。中盤も石川選手が躍動し13-6としますが、徐々にブラジルが追い上げ15-13と2点差まで迫られます。この勢いを止めるべく和田由紀子選手をコートへ送り込むと、和田選手が強烈なスパイクを決め16-14としてセット後半へ。その後、ブラジルのブロックに阻まれ17-18と逆転されます。和田選手の踏ん張りで21-22と食らいつくも、21-24とセットポイントを握られます。しかし、脅威の粘りから連続得点を挙げて25-24と逆転に成功すると、最後は和田選手の相手ブロックを弾く強烈な一打で26-24と第1セットを奪取します。

第2セット、古賀紗理那選手らの活躍で5-3といい入りをすると、古賀選手のサービスエース、山田選手のブロックポイントで9-5。ブラジルの強烈なスパイクをリベロ・福留選手が拾い続け、チームに勢いをもたらします。中盤、攻撃の引き出しの多いブラジルに11-11と追い付かれ逆転を許します。セッター・岩崎こよみ選手も攻撃パターンを模索し相手ブロックに的を絞らせないようにしますが、ブロックディフェンスで日本を上回るブラジルに14-17と引き離されます。もう一人のリベロ・小島満菜美選手も必死にボールを繋ぐものの、勢いの増したブラジルから連続得点を奪えず15-19でセット終盤へ。最後まで粘りますが20-25でセットカウントを1-1のタイに戻されます。

第3セット、序盤は山田選手のサーブから連続得点、石川選手のブロックなどで得点を挙げます。小島選手のスーパーレシーブも出て9-9と互角の勝負となります。岩崎選手の緩急をつけたサーブで得点を奪い12-10とリードすると、途中出場の宮部藍梨選手がダイレクトスパイクを決め14-11としますが、連続ブロックポイントを献上し14-13と1点差まで詰め寄られます。ここから日本は全員が必死にボールをつなぎ、19-14と再びリードに成功。山田選手の相手コートへの押し込み、古賀選手のバックアタックで21-16とリードして終盤に突入します。連続失点を喫し22-21と1点差に迫られますが、和田選手、宮部選手の得点で24-21とセットポイントを握ると、最後は和田選手のスパイクが決まり25-21で第3セットを取ります。

第4セット、スタートからブラジルに圧倒され0-6とリードを許します。流れを変えるべく井上愛里沙選手と関菜々巳選手をコートへ送り込むと、5-8と追い上げます。古賀選手の技ありスパイク、宮部選手のサービスエースで7-9と2点差まで追い上げると、和田選手のサービスエースで9-10、さらに古賀選手のスパイクで10-10と同点に追い付きます。冷静さを失わないブラジルにサーブから攻められ、13-17と再びリードを許しますが、井上選手のサーブから連続得点を奪い15-17と2点差まで詰め寄ると、セット終盤は互いに好プレーが出て21-21と大接戦に。しかし、一歩抜け出したブラジルに25-22でこのセットを取られ、対ブラジル4試合連続のフルセットに突入します。

第5セット、山田選手のサーブで4連続ブレイクに成功し4-0と幸先よいスタートを切ると、和田選手のスパイク、宮部選手の連続ブロックで7-1と前半を優位に進めます。ブラジルも執念で7-6まで追い上げてきますが、石川選手のスパイクが決まり8-6でコートチェンジ。ブラジルの猛反撃を受け9-9と並ばれますが、古賀選手らが踏ん張り10-10と逆転は許さず。その後、小島選手からの難しいトスを古賀選手が決めて11-10、和田選手のバックアタックで12-11とすると、山田選手のサービスエースで13-11と一歩リード。石川選手のスパイクで14-12と王手をかけると、最後も石川選手が決め15-12で奪いフルセットの激闘を制しました。

金メダルを懸けて決勝で対戦するのはイタリアです。イタリアはこのファイナルラウンドでアメリカ、ポーランドを下し、優勝した2022年以来2度目の決勝進出を決めています。日本は予選ラウンドでイタリアとの対戦がなかったため、今シーズン初顔合わせとなります。

 

<次戦>

日本時間6月23日(日)22:30 日本×イタリア

BS-TBSで22:00から生放送、U-NEXTで生配信

 

<コメント>

眞鍋政義監督

「ブラジルと試合をするときは長い試合になる。今日は最後の競った場面で選手たちが気持ちを強く持ってくれた。世界のトップチームに勝つときはラッキーガールが必要。今日は途中出場の和田(由紀子選手)がよかった。イタリアは非常に力があり、ナンバーワンだと思う。特にブロックが驚異的。とはいえ我々は今日ブラジルに勝って勢いがある。明日はぜひとも勝ち取りにいきたい」

小島満菜美選手

「終始みんな落ち着いており、競った場面でも自分の役割を理解してプレーしていたし、『例え点差が離れても追い付く力はある』と試合中も話していた。それがここぞという場面で発揮できたと思う。最近の試合はみんなに助けてもらってばかりだった。今日は負けたら終わりなので絶対に勝つという気持ちをしっかり出し、自分の役割を全うしようと思っていた。(決勝は)今まで立ったことのない舞台で守るものは何もない。チャレンジャーの意識と自分たちがより成長するための勇気を持って、挑戦し続けるプレーをしたい」

和田由紀子選手

「試合に入ったときはミスを恐れず思い切り攻めていこうと思っていたので、それを最後まで継続できたのはよかった。負けたら終わりのファイナルラウンドで、どういう展開が待ち受けているかをたくさんイメージしながら『こういう時はこうしよう』ということを常に考えられており、攻めることを忘れずにできたことがよかった。(本大会でなかなか調子が上げられない状況でも)なぜ自分の調子が上がらないのか、どこを改善すべきかを、次に向けてあまり落ち込まずに考えることができていた。(決勝の舞台は)初めてなので、まずは悔いの残らないように楽しみ、そのうえで全員で勝ち抜くことができたらいい」

写真提供:VolleyballWorld

 

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大会概要

女子日本代表競技日程

試合結果

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