島根の大東高が全国初制覇。「第21回全日本ビーチバレージュニア男子選手権」
「第21回全日本ビーチバレージュニア男子選手権」が8月9日(火)から11日(木)、大阪府阪南市・箱作海水浴場ぴちぴちビーチにて行われた。2020年、2021年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止 。3年ぶりに高校男子のチャンピオンを決める大会となった。全国45の都道府県から代表48チームが出場し、9日には予選グループ戦、10、11日は決勝トーナメントが行われた。
大阪府では新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大し、医療非常事態宣言が出されていること、連日、熱中症への警戒が呼びかけられていることもあり、通常公式戦で採用されている3セットマッチ制ではなく、28点先取の1セットマッチでの大会となった。
最終日の決勝に進んだのは、千葉の藤木陽斗(中央学院高3年)/高坂仁(習志野高2年)組と、島根の吉岡健太(大東高2年)/江角翔央(大東高2年)組。
黒が千葉、赤が島根
藤木/高坂組は爆発力のあるチーム。準決勝では、ともに身長が180cmを超える大型チームの沖縄・西原高、安仁屋光葉(3年)/源河朝陽(3年)を相手に、リードされながらも、巧な攻撃で連続ポイントを取り逆転。強烈なスパイクを打ち込んでくる安仁屋/源河組の攻撃も中盤以降シャットアウトした。
千葉の藤木/高坂組
吉岡/江角組も基本技術の高い攻撃と守備を持つチーム。この大会に向け合宿を行ってきた成果も出て、島根県代表として初めての決勝進出となった。
決勝序盤、まずは準決勝の余勢を駆る藤木/高坂組がリードした。一方的な試合になるかと思われたが、吉岡/江角組が必死に追いつこうと粘る展開へ。勢いのある藤木/高坂組は得点を重ねるたびにガッツポーズが何度も飛び出し、徐々に試合の流れを引き寄せていく。
しかしここで、風が試合を左右することになる。コートエンド側から常時吹く風で、向かい風のグッドサイドと追い風のバッドサイドが完全に分かれた。吉岡は「バッドサイドでは点を取られてもいいという気持ちで食らいつこうと思った」と話すように、気持ちの切り替えよくプレーし、江角も「耐えてボールを拾うことを考えた」と苦しい中、粘り強い守備が光った。
島根の吉岡/江角組
同じように藤木/高坂組も、風への対応としてバットサイドでは守備で粘り、グッドサイドで相手を突き放すことを考えてはいたが、「グッドサイドでなかなか点を取ることができなかった」(高坂)と中盤以降、思うようにゲームを運べなくなった。藤木は「追い詰められて、気持ちの弱さが出てしまった」と敗因を話した。
吉岡/江角組は島根県勢として初優勝。9月に栃木県足利市で行われる国民体育大会の優勝も狙い、これからも練習を重ねていくと話す。藤木・高坂組も国体をターゲットに置いており、栃木での再戦が期待される。
なお、大会優秀有望選手には、吉岡、江角、藤木、高坂、源河、木田勇斗(佐賀・唐津東高)、宮本大聖(京都・洛南高)、田中陽悠(和歌山・和歌山北高)の8選手が選ばれた。
左から第3位大阪、優勝島根、準優勝千葉、第3位沖縄