「アクティオ・ワイルドカード」出場チーム紹介。 女子は明海大の衣笠/菊地組が参戦。
今年の大学ビーチバレーボールの頂上決戦「アクティオ杯 ビーチバレーボール・ジャパン・カレッジ2022
第34回 全日本ビーチバレーボール大学男女選手権大会」(以下・ジャパンカレッジ)が8月9日(火)から11日(木)、神奈川県川崎市川崎マリエンにて開催された。
今大会の優勝者は、「マイナビジャパンツアー2022第5戦都城大会 第23回霧島酒造オープン」へ出場できる「アクティオ・ワイルドカード」が与えられる。この「アクティオ・ワイルドカード」は、ジャパンカレッジの冠協賛である株式会社アクティオが大学生にいち早くトップレベルを体感し強化を図ってほしい、大学からトップへの道筋を作りたいという想いから導入されたものだ。
大会結果は、男子は駒澤大の上田翔貴/髙橋太組、女子は産業能率大の伊藤桜/野口彩陽組が優勝を果たしたが、伊藤/野口組は保有ポイントで大会エントリーが可能なため、準優勝した明海大の衣笠乃愛/菊地真結組が繰り上がりで、「アクティオ・ワイルドカード」を獲得することになった。
今回から「アクティオ・ワイルドカード」で出場する男女チームや展望を3回に渡って紹介。初回は女子チームとして出場する衣笠/菊地組をクローズアップした。
▲アクティオ・ワイルドカードを得た衣笠/菊地組
衣笠/菊地組がビーチバレーボール界に一躍知れ渡ったのは、2019年の高校女子選手権「マドンナカップ」と「茨城国体」だった。当時、共栄学園高校3年生でビーチバレーボール二冠を制した彼女たちは、インドアバレーボールでもチームの主力。その夏のインターハイでは準優勝、2020年の春の高校バレーでも活躍し3位と数々の栄冠を掴んだ。
衣笠、菊地ともにビーチバレーボールとバレーボール両方、取り組む効果を高校時代から肌で感じていた。元々リベロポジションでビーチバレーボールをやり始めてスパイカーに転向したという衣笠は、「ビーチで練習して体育館に戻ったら、自然にジャンプ力がついてコートが見やすくなって、だんだん力強いスパイクが打てるようになってきました」と語っていた。
セッターを務めていた菊地も「セッターということもありスパイクが打てなかったけれど、ビーチをやり始めてスパイクに抵抗がなくなりました。インドアバレーボールではツーセッターを組むことが多いので、すごく役に立ちました」とプレーの幅が広がったと話している。
▲プレーの幅が広がったと話す菊地
衣笠と菊地は高校卒業後、明海大に入学。高校時代と変わらず、1年時から夏はビーチバレーボール、冬はバレーボールに取り組んできた。ただし、1年時のジャパンカレッジではコロナ禍ということもあり練習に時間を割けず、1回戦敗退に終わった。高校時代、同年代の選手に一度も負けたことがない彼女たちにとって「悔しさ」しか残らなかった。
闘争心に火がついた衣笠と菊地は、その翌年からはビーチでの練習量を増やし、技術力、戦術面での向上を図ってきた。その結果、2021年のジャパンカレッジでは初の4位入賞、2022年では決勝の舞台にたどり着き、準優勝に輝いた。
▲ペア結成4年目のコンビネーションに注目
その活躍が見初められ、今年は初の国際大会となる「世界大学選手権」日本代表メンバーに選出された。目下成長中の衣笠/菊地組。彼女たちの一番の武器は、精度の高いつなぎで攻撃まで結びつけるパス力と、相手の動きをよく観察してコートに網を張るディフェンス能力である。粘って粘ってボールをつなぎ、相手チームがしびれを切らして失点を誘っていくのが得意のパターン。しかもタフさも備えており、コートでは笑顔を絶やさない。そこが彼女たちの最大の魅力であり、武器である。
注目の新鋭チームゆえに「マイナビジャパンツアー」でも厳しいマークに合うことは必須。しかし、彼女たちは「レベルの高い試合に出てもっと上手くなりたいです」と声を弾ませる。その理由はただひとつ、「ビーチバレーボールが好きだから」だ。
▲プレー中の笑顔もトレードマーク
東日本インカレでもベスト8に食い込み、注目されている明海大の主軸である衣笠と菊地。「マイナビジャパンツアー第5戦都城大会 第23回霧島酒造オープン」では、どんな姿を見せてくれるのだろうか。