ビーチバレーボール

新シーズン開幕マイナビジャパンツアー第1戦 立川立飛大会展望

新シーズン開幕マイナビジャパンツアー第1戦 立川立飛大会展望

今年もいよいよ国内最高峰ツアーの幕が上がる。「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2022」(以下、マイナビジャパンツアー)の第1戦 立川立飛大会がゴールデンウイークの5月3〜5日、TACHIHI BEACH(東京都立川市)で行われる。

昨年の同大会の競技形式は男女各8チームによるシングルエリミネーショントーナメント方式だったが、今年は男女各12チームがまず3チーム×4プールに分かれてプール戦を戦い、そのあと各プール上位2チーム、合計8チームによるシングルエリミネーショントーナメントを行う。また今大会は第19回杭州(中国)アジア競技大会日本代表決定戦を兼ねており、男女それぞれの最上位チームが日本代表として内定しJOCの承認をもって派遣される。

男子の注目チームは、まず石島雄介(トヨタ自動車)/黒川寛輝ディラン(しながわシティビーチバレーボールクラブ)組だ。昨年、チーム結成後のツアー初戦となった第3戦沖縄大会(新型コロナウイルスの影響により9月から11月に延期)で優勝し、7戦中5戦で優勝を果たしたツアー随一のブロッカー石島と、長身サウスポーとして期待が懸かる中、プロ1年目からツアー初優勝を飾った黒川が今大会でどのような活躍を見せるだろうか。

レシーブする白鳥(手前)。プロ1年目の小田と組み出場する

白鳥勝浩(カブト)/小田涼太(ハウスコム)組は、3度オリンピックに出場した大ベテランと、昨年ビーチインカレを制し日本体育大を卒業した期待の若手の組み合わせ。白鳥の持つ高い状況判断能力、円熟味を増す技術力とともに、プロ1年目の小田がどのような存在感を発揮するのか、年齢差23歳ペアに注目が集まる。

髙橋(右)/マルキ組は昨年の都城大会で優勝

髙橋巧(ANAあきんど)/マルキナシム(トヨタ自動車)組は昨季、第4戦名古屋大会とファイナル大阪大会で準優勝し、第5戦都城大会で優勝。都城大会準決勝では東京2020オリンピックにも出場した石島/白鳥組にフルセットで勝利しており、マルキの高さを活かしたプレーと髙橋の優れたレシーブ技術が合わされば手強いチームになりそう。また髙橋の経験値が、成長著しいマルキのさらなる飛躍を促すことにもなるはずだ。

ほかにも長谷川徳海(フリー)/倉坂正人(フリー)組や庄司憲右(ハウスコム)/池田隼平(カブト)組など、ツアー常連組による新チームの活躍も大会の盛り上がりには欠かせない。高い技術力と魅せるプレーのいずれにも期待したい。

昨年安定した成績を残した長谷川(右)/坂口組

続いて女子を見てみよう。昨年チームを組んだ長谷川暁子(NTTコムウェア)/坂口由里香(大樹グループ)組はチーム初戦となった第2戦平塚大会で優勝。第4戦名古屋大会では準優勝だったが、第6戦松山大会、ファイナル大阪大会で優勝を飾った。昨季、序盤は大会ごとに優勝チームが入れ替わる混戦だったが、そこからいち早く抜け出したのが、この長谷川/坂口組だった。順調にチームの完成度を上げながら、結成2年目のシーズンに臨む。

橋本(右)/村上組は今年も多くの大会で優勝争いに食い込むか

橋本涼加(トヨタ自動車)/村上礼華(ダイキアクシス)組は昨年の第4戦名古屋大会で長谷川/坂口組を下して優勝したが、第6戦松山大会、ファイナル大阪大会は同組に敗れどちらも準優勝。今季も激しく火花を散らすだろう。橋本の高さ、村上のスピードが武器のチームで、ツアーの顔役としても期待が懸かる。

今年も活躍が期待される松本恋(右)/松本穏組

昨年第4戦名古屋大会にワイルドカードでマイナビジャパンツアーに初出場し、めきめきと頭角を表しているのが、松本恋(フリー)/松本穏(フリー)組だ。第5戦都城大会にもワイルドカードで出場しチャンスをつかむと、11月の第3戦沖縄大会で本戦入りし、ツアー初優勝をつかんだ。また今季は4月14〜17日に開催された「バレーボールワールドビーチプロツアー Futureソンクラー大会」で準優勝を果たすなど、台風の目となることは間違いない。

その他にも、経験豊富な村上めぐみ(立飛ホールディングス)/藤井桜子(立飛ホールディングス)組や昨年の第3戦沖縄大会にワイルドカードで出場し準優勝した伊藤桜(産業能率大)/野口彩陽(産業能率大)組など、注目すべきチームは多い。

今大会は3年ぶりに有観客で実施される予定。これまでは配信による観戦のみとなっていたため、選手は試合会場での応援がないことを悲しみ、ファンも風や太陽を感じるビーチバレーボールならではの熱気を味わうことはかなわなかった。観客の存在は選手たちを後押しして、好プレーを生む原動力になるため、ぜひ選手たちを会場で応援し、熱戦を体感してもらいたい。