マイナビジャパンツアー2021 第3戦 沖縄大会展望
新型コロナウイルス感染防止対策のため延期となっていた「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021第3戦沖縄大会」(以下・マイナビジャパンツアー)が11月27日(土)、28日(日)、沖縄県豊見城市のオリオンECO美らSUNビーチで開催される。
同時期にタイのプーケットでアジア選手権が開催されているため、そちらにエントリーした日本代表選手たちは不在。この機会を若手、中堅の選手たちがどう生かすのか。2021シーズン最後の大きな大会とあって来季を占う重要な一戦ともなるだろう。
男子の優勝候補チームは、マイナビジャパンツアーファイナル大阪大会以降、ペアを代えながらいくつかの大会に出場してきたオリンピアン・石島雄介(トヨタ自動車)と、第5戦都城大会で初の表彰台(3位)に登った黒川寛輝ディランのビッグペアだ。
石島/黒川組は、11月13日、14日に開催された「第13回ビーチバレー川崎市杯」(以下・川崎市杯)に出場し、準優勝だった。石島、黒川ともに通常のポジションはブロッカーだが、お互いがレシーバーの役目も担った。ペアを組んでの初戦ということもあり不慣れだったはずだが、石島/黒川組は準決勝で試合巧者の永井雄太(松戸レガロ)/倉坂正人(フリー)組に勝利。新たな可能性を見いだした。
黒川は「自分たちは、サーブで攻めて相手の攻撃を崩してそこから切り返していくのが身上。準決勝は効果的にサーブが決まり、流れを持ってくることができた。沖縄大会もサーブの効果率を上げるように取り組み、先手を取っていきたい」と意気込みを語った。
若手注目株のひとり、黒川寛輝ディラン
若い力が確実に育っている中、ワイルドカードで出場する沖縄県出身の平良伸晃(ゲストハウスLapsi)/上田翔貴(駒澤大学/KBSC)組にも注目だ。上田は、川崎市杯の1回戦で西村晃一(ITEC WINDS)/佐藤亮太(テクノスジャパン/雄大グループ)組をフルセットのデュースまで追いつめた期待の大学生プレーヤーだ。身長188cm、長いリーチと伸びのあるジャンプ力が武器。球際に強いセンスあふれるレシーバー平良とのコンビネーションは、どこまで通用するのか見ものである。
女子は、マイナビポイントランキング2位の橋本涼加(トヨタ自動車)/村上礼華(ダイキアクシス)組、同ランキング4位の坂本実優(キュービック・スポット/KLB)・沢目繭(ミライラボバイオサイエンス/湘南ベルマーレ/KLB)組、今大会第1シードの村上めぐみ(オーイング)/藤井桜子(立飛ホールディングス)組ら強豪チームが出場。優勝争いは混戦が予想される。
輝かしい実績を持つチームたちの対抗馬としてあげられるのは、ツアー出場3戦目ながら今大会堂々の第3シードを手にした松本恋(Mt.dogs)/松本穏(Mt.dogs)組だ。
注目の姉妹ペアは、第4戦名古屋大会では3位、第5戦都城大会では準優勝、その後もサテライト大会(横浜大会)を初めて制し、川崎市杯でも初優勝に輝くなど、今シーズンメキメキと力をつけてきた。
飛躍のシーズンとなった松本姉妹
妹の穏は「まだまだ実力は下なのに、川崎市杯では第1シードで自分たちより年下の選手もいた。上を目指せば目指すほど背負うものも出てくると感じ始めている。今までは『勝って当たり前でしょ?』と言われるのは嫌だったけれど、周囲から言われても『そうですよ』と言えるくらい、余裕を持てるような精神力を身につけたい」と今後の展望を口にした。
すでに来シーズンに向けて始動しているチームも多く、弾みをつけるためにも絶好の腕試しとなる今大会。2021シーズン、最終決戦を制するのはどのチームだろうか。