ビーチバレーボール

期待の若手プレーヤー 黒川寛輝ディラン

期待の若手プレーヤー 黒川寛輝ディラン

高校時代からビーチバレーボールに明け暮れ、未完の大器として注目されてきた黒川寛輝ディラン(国士舘大4年)選手。オランダ人の母と日本人の父を持つ身長187cmのサウスポーである。

黒川選手は小学校の頃、母の故郷であるオランダに長期滞在し学校に通っていた経験もある。当時は遊びでサッカーをしていた。ところが、兄の魁(現・NTTコムウェア所属)がビーチバレーボールの高校ジュニア選手権で優勝しその姿に憧れを抱き、中学3年生時にサッカー部からバレーボール部へ移籍。高校2年生からビーチバレーボールに取り組み、3年生時には兄の記録には肩を並べることはできなかったが、準優勝に輝いた。

そこからはトントン拍子にステップを踏んできた。U19 アジア選手権や世界大学選手権で代表に選出。大学2年の時には 日本で開催された『FIVBワールドツアー3star東京大会』に越川優選手のパートナーとしてワイルドカードで出場した。

実績だけを見れば、いかに黒川選手が周囲から期待されているか一目瞭然だろう。黒川選手本人は「掲げていた目標には到達していないので満足はしていません。でもビーチバレーボールの貴重な経験を通じて、自分にはまだまだ可能性があると感じました」と話す。

黒川選手の武器は、ランニングジャンプの高さとコースの幅が広い強打スパイク。「スパイク単体であれば、トップ選手にも負けない自信はあります。自分は肩も強いしスイングスピードも速いほう。高校時代の体力測定のソフトボール投げは野球部に交ざって上位でした。あとは技術力を磨いてどんな形でも得点につなげる決定力をつけたい」(黒川選手)

自分の可能性を信じ、卒業後はビーチバレーボールの活動に専念する。視線の先にあるのは、2024年のパリ五輪、2028年のロサンゼルス五輪だ。

「やるからには1人でも多くの人に応援してもらえるような選手になりたいです。まだまだ不器用ですが、いずれは国内トッププレーヤーになる。目標に向かってブレずにやり抜きたいです」

ただひたすら、真っ直ぐに経験を積んできた黒川選手。「家族の絆が強い」という第2の故郷であるオランダの地で日の丸を背負ってプレーする日はそう遠くないかもしれない。