ベテランか、新戦力か。 実力伯仲のマイナビジャパンツアー 第1戦立川立飛大会展望
いよいよ2021年のビーチバレーボールシーズンの幕開けだ。国内最高峰ツアーとなる「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021」(以下・マイナビジャパンツアー)の開幕戦が5月8日(土)、9日(日)、東京都立川市のTACHIHI BEACH(タチヒビーチ)で開催される。今大会の競技形式は、男女各8チームのシングルエリミネーション方式。一度負けたら敗退となる一発勝負の戦いとなる。
現在東京都内は、緊急事態宣言発令中のため、今大会は原則、無観客大会となるが、全試合において無料ライブ配信を行う。
・YouTube「Channel JVA」両日9:25配信スタート
・Twitter「JVAビーチバレーボール」アカウント9日のみ9:25配信スタート
まず女子の注目チームから見ていこう。5月頭まで『FIVBワールドツアー4スターカンクン大会①②③』に出場していた日本のトップランカー・石井美樹(荒井商事/湘南ベルマーレ)/村上めぐみ(オーイング)組は、今大会不出場となる。
『女王』不在の中、第1シードに入ったのは、同じくカンクン大会①で初の本戦出場を果たし初勝利をあげる活躍を見せた鈴木千代(クロス・ヘッド)/坂口由里香(大樹グループ)組だ。昨年の立川立飛大会でも準優勝したチームだけに、今大会も優勝候補の筆頭としてあげられる。
昨年の立川立飛大会で準優勝した鈴木/坂口組
次に有力なのは、強豪チームが集結した「JBVシリーズ聖地浜松杯」(4月中旬開催)で優勝に輝いた坂本実優(キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス・湘南ベルマーレ)組だ。坂本/沢目組は、2019年に『マイナビ ワールドチャレンジ賞』を受賞。以降、ワールドツアーやアジアツアーに初参戦し、ぐんぐんと力をつけ、いまや上位チームを脅かすまでに成長を遂げた。アルバイトをしながらビーチバレーに取り組んでいる坂本は言う。「私のための賞だと思いました。感謝しかありません。賞金を活用して海外の試合を経験することができたので、今年も受賞を狙っていきます!」と闘志を燃やしている。
坂本/沢目組は1回戦で、国内屈指の高さを誇る長谷川暁子(NTTコムウェア)/二見梓(東レエンジニアリング)組と対戦。新勢力vs日本代表の意地が、初日から激突するとあって楽しみだ。
今季ツアーでの飛躍が期待される坂本/沢目組
今大会第3シードの長谷川/二見組は、「JBVシリーズ聖地浜松杯」の準決勝で草野歩(パソナ)/橋本涼加(トヨタ自動車)組にフルセット負け。この大会こそは決勝進出に懸ける想いは強い。二見は、「浜松の大会は、風の中でもパス、トスの質を高く維持できたのはよかった点。課題は準決勝第2、3セットはデュースとなって大事な1点を取りきれなかったところ。それでも敗因をチームでしっかり分析できているので5月の試合では必ず活かしていきたい」とリベンジを誓う。
「JBVシリーズ聖地浜松杯」のリベンジを狙う長谷川/二見組
「現在の女子は、上位チームのどこが勝ってもおかしくない」と話すのは、先日のオンライン会見に出席していた川合庶日本バレーボール協会ビーチバレーボール強化委員長。「オリンピックが延長になったことで若手チームが経験を積み、非常に力が伸びてきた」と述べる。実力伯仲の女子はし烈な戦いとなりそうだ。
続いて、男子の展望にふれていく。出場チームは、5月22日(土)、23日(日)に開催される「東京2020ビーチバレーボール代表決定戦」と同じ顔ぶれとなる。まさに男子のマイナビジャパンツアーの開幕戦は、代表決定戦の『前哨戦』と言えるだろう。
優勝候補にあげられるのは、ここ3シーズン、ファイナルの常連として猛威をふるってきた石島雄介(トヨタ自動車)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組と髙橋巧(ANAあきんど)/長谷川徳海(愛媛競技力向上対策本部)。この二強の牙城をいかに崩せるかが、男子の注目ポイントとなるだろう。
昨年大会では、決勝で髙橋/長谷川組に敗れ、準優勝に終わった石島は、「昨年はコロナでなかなか思うようにチームで練習できず、ピーキングが難しかった。自分をコントロールするためにも、改めて体力を底上げしていくことが必要」と課題をあげていた。
今季も活躍が期待される石島/白鳥組
一方の高橋は、「昨年は国際大会の試合がなかった分、改めてワールドツアーの試合の映像をチェックして、プレーの見直しを図って向上を意識してきた」と語る。
昨年の立川立飛大会優勝の髙橋/長谷川組
昨年の課題を開幕戦に向けてどこまで改善し結果につなげることができるのか。二強の仕上がりは見逃せない。
第2戦以降の「マイナビジャパンツアー」は、新型コロナウイルスの感染状況を見ながら現在、開催地と調整中。決まり次第、公式発表予定。