石島/白鳥組、西堀/草野組が優勝。「第33回ビーチバレージャパン」最終日。
「第33回ビーチバレージャパン」の最終日が神奈川県藤沢市・湘南鵠沼海岸で行われ、男子は石島雄介(トヨタ自動車)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組が制覇。白鳥は個人として12回目の優勝、石島は初優勝を果たした。
5試合を通して失セットは0。相手に取られた点数は最高で15点と突出した強さを見せた。決勝も21−12、21−14とわずか30分で試合を終わらせている。圧巻の優勝だが、2人に慢心はない。「日本で一番暑い時期に、こういうタフなゲームで勝つことができてよかった」と石島。白鳥は「自分たちのやるべきことを試合前に確認し、それを一つ一つ追求してきたことが勝因につながったと思う」と自信を深めた。
12回目の優勝を飾った白鳥
一方、予選から勝ち上がってきた梅野涼/小森優希(長崎)組が2位に入った。32歳の梅野と26歳の小森は普段、福岡県の百道浜で活動している。平日は仕事をしており、週末だけ集まって練習。アトランタオリンピックに出場した高尾和行氏と一緒に練習することで、レベルアップを図ってきた。
今大会について、「ずっと勝つか負けるかわからない相手との試合が続いた。その中で接戦をものにできてよかった」と小森。伊藤遼河(国士舘大学)/黒川寛輝ディラン(国士舘大学)組との準決勝もフルセットまでもつれた。第1セットこそ奪ったものの、続く第2セットは伊藤/黒川組の勢いに押されて失セット。第3セットも拮抗した展開が続いたが、要所で小森が技ありのショットを見せて試合のペースをつかんだ。
高さこそないが、相手コートの空いたスペースにすばやくボールを落とすテクニックが光る。「スタンダードなバレーじゃない」と梅野。小森も「僕らは身長も大きくないし、攻撃力もそれほど高くない。パス、セットで速い攻撃をして、空いているところにボールを落としていく」とチームの持ち味を語ってくれた。
チャンスをつかみ、決勝進出を果たした梅野/小森組
決勝は大差で敗れたが、可能性の高さを示した梅野/小森組。「ジャパンツアーにも出られるようになると思うので、少しでも上に行けるように練習していきたい」(梅野)とさらなる飛躍を誓った。
女子は西堀健実(トヨタ自動車)/草野歩(パソナ)組が連覇を果たした。本村嘉菜(アイビークリーン/sandblock/KLB)/酒井春海(アイビークリーン)組との決勝戦は持ち前のサーブでリズムをつかんだ。「ワールドツアーを回っている時もそうだったけど、サーブが打てないと勝てないことを身に染みて感じた。今大会はミスをしても攻めていくことをテーマにしていた。その課題が達成できたからよかった」。試合後にこう振り返った草野。西堀も「午後になって風が出てきたが、風を頭に入れて工夫しながら打つことができた」と手応えを口にした。
第2セットも草野のサービスエースでリズムをつかみ、本村/酒井組の粘りを振り切った。相手の得点を15、17点に抑えてストレート勝ち。「東京オリンピックまでまだ時間はある。長期的な意味でも、国内でしっかり勝つ経験を積み重ねていかないといけない。そういう意味でも、出場した大会で勝てたことはよかったと思います」と草野。次なる戦いに目線を向けた。
なお、女子は準決勝で敗れた南谷綾華(BMKG)/山田寿子(フリー)組、浦田景子(フリー)/幅口絵里香(オーイング)組が3位に入っている。
2連覇を飾った西堀/草野組