ビーチバレーボール

石井/村上組、石島/上場組が出場。 世界選手権、ハンブルグで開幕。

石井/村上組、石島/上場組が出場。

世界選手権、ハンブルグで開幕。

2年に一度、開催される「FIVB世界選手権」が6月28日(金)、ドイツ・ハンブルグのアムローテンバウムスタジアムで開幕した。男女48チームが集結する今大会は、1プール4チームの8プールに分かれて5日間に渡ってプール戦が行われる。会場のアムローテンバウムスタジアムは、収容人数は13,000人。一昨年、昨年にワールドツアーファイナルが開催され、開閉式の屋根があるテニススタジアムとして知られている。

ハンブルグ空港から電車でおよそ20分。アムローテンバウムスタジアムは、最寄りの駅から徒歩1分ほどの好アクセスの所にある。大会初日は平日と言えど、メインコートからコート2、コート3を含め、観客で溢れていた。


中国にフルセット負けを喫した石井/村上組

日本は男女とも12年ぶりに出場。規定のアジアランキングにより出場権をもぎ取った上場雄也(松戸レガロ)/石島雄介(トヨタ自動車)組、石井美樹(荒井商事/湘南ベルマーレ)/村上めぐみ(オーイング)組が初日のプール戦に臨んだ。

■女子戦評
12時から始まった石井/村上組の相手は、中国のX.Y. Xia/Wang組。第1セット、大型の中国に対して、村上が冷静にブロックを交わしてサイドアウトを切っていく。中盤以降は一進一退の攻防戦。石井/村上組は中国の攻撃ボールにさわることはできるが、なかなかセットまでつなげられない。接戦をモノにできず、石井/村上組は19-21と先取された。

第2セットは石井/村上組の最大の武器であるスピードサーブから中国の攻撃リズムを崩し、主導権を握る。相手のミスを誘い、石井/村上組は13-9とリードを奪う。終盤は中国に同点に追いつかれたが、なんとか逃げ切った石井/村上組が22-20と取り、第3セットへ望みをつないだ。

第3セットも石井/村上組が優勢に試合を進める。しかし、それまで中国の高い壁をぶち抜いてきた村上の攻撃が少しずつ読まれ始める。11-10から中国が立て続けにブレイクに成功すると、14-14と同点に追いつかれる。そこからさらにツーアタックでかき乱された石井/村上組は、15-17と敗れた。

■男子戦評
アジアツアーカタール大会で銅メダルを獲得した上場/石島組が出場。しかし、世界選手権の出場が決まった後、上場と石島は事実上ペアを解散しており、今大会においても大会直前に合わせ、ワールドツアーランキング3位ロシアのStoyanovskiy/Krasilniko組に挑んだ。

試合序盤、「普段はなかなか対戦することがないほどの世界上位チーム。どこまで自分の腕を試せるか、という気持ちで挑んだ」という上場のジャンピングフローターサーブが決まる。強豪相手に6-6と奮闘を見せたが、そこからロシアが反撃を開始。コースを突いたロシアのサーブにレセプションが乱れた日本は、途端にコンビが合わなくなる。中盤に7-11と大きくリードされると試合はロシアのペースに。第1セット10-21とロシアが先取した。

第2セットもロシアの高い打点から繰り出されるジャンピングフローターサーブに対応できない。石島/上場組の攻撃ミスが目立ち、4-10と大きくリードを奪われる。終盤高さやパワーだけではない巧さを備えたロシアがツー攻撃でリズムをつかむと一気にリードを広げ、フィニッシュ。石島/上場組は13-21とストレートで敗れた。


ロシアに完敗した石島/上場組

■選手コメント
石井美樹
「試合後半で、ここしかないという場面で相手の攻撃を拾い切れない。これまで中国とはずっと試合をやっていてコーチからはここの1点を拾えないと勝てないんだよという1点が今回もあった。それが負けた原因」

村上めぐみ
「もうちょっと攻める場所を考えて、サーブを工夫できればよかった。次の試合は、映像をしっかり分析して2人で共有してコートの中で思いっきり出していきたい」

石島雄介
「相手は世界上位のチームなので、試合をやるまでどのくらいの力なのかわからなかった。日本でもアジアでもあそこまでの身長のあるチームとやる機会はない。クロスから入ってきた攻撃は今まで味わったことがなかった。世界トップとの試合を経験できたのは大きい」

上場雄也
「今大会は、自分の力がどこまで通用するのか試せるいい機会なので、自分の課題を抽出したい。毎試合、勝ちに行くつもりでいるので、次の試合も準備して挑みたい」

■世界選手権競技方式
男女各48チーム(世界ランキング23ヵ国、ワイルドカード3、ホスト国2、大陸枠20)が出場し、優勝チームは2020年東京オリンピックの出場権が与えられる。出場権獲得のプロセスの中でもっともはやくオリンピック出場チームが決まる大会となっている。
プール戦は6月28日から7月3日まで行われ、全12プール内各プール上位2チーム(24)と3位チームの中の上位4チームは自動で決勝トーナメント(Round32)へ、残る3位の8チームは2日に行われるラッキールーザーマッチを1試合行い、勝者4チームが3日から始まる決勝トーナメントへ進む。

写真/平野敬久