マイナビワールドチャレンジ賞、表彰。「マイナビジャパンツアー2019第4戦東京大会」最終日。
「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2019第4戦東京大会」最終日が7月21日(日)、東京都品川区の潮風公園にて開催された。2000席が設置されたいつものツアーと異なるスペシャルな舞台で行われた最終日。男女ともに第3戦に続き、石島雄介(トヨタ自動車)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組、坂口佳穗(マイナビ/KBSC)/村上礼華(ダイキアクシス)組が優勝した。
■女子決勝戦 戦評
「この潮風公園でプレーするのは初めてだし、ここはオリンピックの会場。砂も深いので体力を奪われる。いつもと違う緊張感があった」と坂口が振り返るように、今大会のマイナビジャパンツアーの舞台はスペシャルである。そんな特別な戦いを勝ち抜いてきたのは、ともにワールドツアーを転戦し続けている坂口/村上組と藤井桜子(市進ホールディングス)/熊田美愛(リソースフォレスト)組だった。
今シーズン初出場となった藤井/熊田組
試合序盤は、お互いのサーブで崩し合い。砂が深い故、ネットから離れた状態でもいかに鋭いスパイクを放っていけるか、が鍵となる。先にリズムをつかんだのは、坂口/村上組。自分の攻撃ミスを帳消しするように坂口のサーブポイント、村上のツー攻撃で2点のビハインドで得点を重ねていく。藤井/熊田組のコート前方を狙ったティップショットにも坂口が食らいつき、「ワールドツアーでは叩いていかないと勝てない」と坂口が迷いのない力強いスパイクを決めていく。序盤のリードを坂口/村上組が守り切り、第1セットは21-19と坂口/村上組が先取した。
第2セットも、サーブやスパイクのボールスピードがより増した村上のサーブが、藤井/熊田組のレセプション体系をえぐっていく。7-4と坂口/村上組がリードを奪い、相手に付け入る隙を与えず第2セットも21-16と坂口/村上組が走り、今シーズン3勝目をゲットした。
今シーズン2勝をあげた坂口/村上組
■女子優勝コメント
坂口佳穗
「決勝戦の相手、藤井/熊田組はワールドツアーから同じスケジュールで動いていたので、だからこそ負けたくなかった。最初から最後までサーブで攻めることができたのはチームとしての成長だと思う」
村上礼華
「優勝できてすごくうれしい。今大会はサーブで攻め続けることが、チームの課題だった。大事なところで佳穗さんのサーブポイントで助けてもらった」
■男子決勝 戦評
男子決勝は3大会連続決勝進出を果たした石島/白鳥組と、今シーズンツアー初の決勝進出となった永井雄太/Daniel Caverly組の対戦となった。
Caverlyはワーキングホリデーで日本にきているカナダ国籍の28歳。「Danielは日本でビーチバレーボールがやりたくて仕方のない様子だった。前回の沖縄大会で石島/白鳥組と対戦して負けて、次は絶対に勝ちたいと言っていた」とパートナーの永井。その悔しさを糧に永井/Caverly組は、プール戦で土屋宝士(フリー)/村上斉(ADI.G)組、準決勝で吉田英樹(MAGS)/和田信二(フリー)組を破り、決勝まで駒を進めてきた。
初の大舞台で会場を沸かせた Daniel Caverly
第1セット序盤、日本トップチームである石島/白鳥組に対し、永井/Caverly組は安定したボディコントロールからのワン返しで相手の隙をつくなど会場を沸かせる。最初のテクニカルを11-10と離されずについていく永井/Caverly組だが、石島のサーブポイントを皮切りに引き離されていく。ここからさらに石島のブロックポイントで永井/Caverly組を崩し、21-16と石島/白鳥組が先取した。
第2セットも石島/白鳥組のペースとなるが、中盤以降は身長197cmのブロッカー・石島と身長183cmの永井がネット際で対等に渡り合う。「後ろでDanielが拾ってくれるので安心してブロックに跳べた」と永井。逆に石島は「コンディションが悪く、とても苦しい展開だった」。終盤追いついた永井/Caverly組は、石島と白鳥の堅実なディフェンスの隙間を狙って気合いの強打を放つなど19-19と追いつくが、最後は石島/白鳥組が逃げ切り、21-19 と決着をつけた。
苦しみながらも王者の意地を見せた石島/白鳥組
表彰式では2019年前半戦のマイナビワールドチャレンジ賞が発表された。男子1位はツアー3勝、4800ポイントを獲得した石島/白鳥組。2位は2668ポイントの西村晃一(東京ヴェルディWINDS)/柴田大助(東京ヴェルディWINDS)組、女子1位は4000ポイントを獲得した坂本実優/沢目繭(新興和製薬)組、2位は3200ポイントを得た坂口/村上組がランクインした。各チームは株式会社マイナビの中川信行代表取締役社長から100万円の支援金が授与された。
■男子優勝コメント
石島雄介
「ヨーロッパやアメリカ、ブラジルはビーチバレーは人気があり満員になるが、日本だとまだまだ定着していない。見に来てもらうための環境づくり、選手のレベルアップを同時進行していかなければいけないと思う」
白鳥勝浩
「石島君が隣で苦しんでいたので、ブロックに行く提案して何回か跳びにいったが、最終的には僕が行きますと言ってくれた。そのメンタリティに引っ張られて僕のパフォーマンスも持続してがんばれたことが勝利に結びついたと思う」
マイナビワールドチャレンジ賞を受賞したチームと中川代表取締役社長