ビーチバレーボール

音のないビーチで競技の魅力を発信。 「日本デフビーチバレーボール協会」、始動。

音のないビーチで競技の魅力を発信。

「日本デフビーチバレーボール協会」、始動。

聴覚に障がいのある選手たちが出場した「全日本デフビーチバレーボール選手権」が9月8日(土)、東京都大田区大森東水辺スポーツ広場で開催された。今大会の優勝、準優勝チームは10月19日(金)、20日(土)、21日(日)に大分県大分市田ノ浦ビーチで開催される国際親善試合に出場できる権利が与えられる。

この大会を主催したのは、「一般社団法人 日本デフビーチバレーボール協会」。昨年7月まで「日本デフバレーボール協会」内でデフビーチバレーボール代表監督を務めていた牛尾洋人氏が「ビーチバレーボール独自の法人格を取得することでより多くの民間企業の協力も期待ができると思い、社会へのメッセージを強く発信できると考えた」という目標を掲げ、新団体を設立。デフビーチバレーボールのさらなる発展を目的とし2017年9月28日、障がい者スポーツの先進県であり、その地盤がある大分県大分市を拠点とし「日本デフビーチバレーボール協会」を立ち上げた。


視覚のみで判断するデフビーチバレーボール。コミュニケーションがより問われる

今大会はその新団体が主催した全日本選手権である。昨年、トルコで開催されたデフリンピックに出場した日本代表メンバーをはじめ、全国各地から男子5チーム、女子3チームが参戦した。男子の優勝は総当たり戦で1位となり、続く優勝決定戦を制した瀬井達也/今井勇太組、女子はインドア代表経験がある三浦早苗と三谷清花組が優勝した。

新たなシーズンの始まり。昨年のデフリンピックで日本チームトップの9位となった瀬井/今井組の強さは健在だった。瀬井は「勝って当たり前の大会にしたかったので、実は優勝できてホッとしている。次のデフリンピックではメダルを狙いたい」と言えば、今井も「ここで満足するのではなく、健常者と対等に戦えるチームを目指したい」と今後の目標を語った。


2017年デフリンピックで9位タイだった瀬井/今井組

現在、日本デフビーチバレーボール協会では、2025年夏季デフリンピックの日本招致につながる活動に取り組んでいる。インドア代表としても過去2回、そしてビーチで1回、デフリンピックに出場してきた瀬井は、「デフスポーツはまだまだ知名度が低いので、大きな大会を日本で開催することで知ってもらえる機会となる」と自国への招致にも積極的だ。

今井も「健常者であれば、攻撃時にどこへ打てばいいのか音声で伝えるけれど、僕たちはそれができない。聞こえない同士がどうやって試合を進めて点をとっているのか。そこを見てほしい」と語った。


日本デフビーチバレーボール協会は新団体として初の競技会を開催した