男子は石島/髙橋組が5勝目!女子は橋本/村上組が今季初優勝!!マイナビジャパンツアー第8戦グランフロント大阪大会3日目
前日の夜に降っていた雨がやみ、試合開始の10時には上空に青空が広がる中で始まったマイナビジャパンツアー第8戦グランフロント大阪大会の最終日(3日目)。JR大阪駅直結という好立地での開催ということもあり多くの観客が見守る中、男女の決勝戦、そして3位決定戦が行われた。
男子決勝戦は、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組と庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組が対戦。両者は今シーズン4度相対し、石島/髙橋組が全勝。庄司/池田組にとっては、第6戦都城大会、第7戦名古屋大会の決勝戦で負けているだけに、ツアー3戦連続での決勝戦同カードとなった今回はリベンジを期したいところだった。
3大会連続で決勝戦を戦うことになった石島/髙橋組×庄司/池田組(手前が庄司/池田組)
その庄司/池田組に対し、石島/髙橋組も「相手は実力ナンバー1のチーム。自分たちの対策をしてきているのは分かっているので、しっかりリスペクトした上で試合に臨みました」(石島)と気合十分。攻めては石島の高い打点からのパワフルスパイク、髙橋の相手ブロックをかわす技ありショットで得点し、守っては石島のモンスターブロック、髙橋の機動力と読みを生かした好ディグで相手にプレッシャーをかけ、第1セットを21‐11で先取する。
第2セットになっても主導権を握ったまま試合を進める石島/髙橋組。9‐5と引き離しにかかるが、庄司/池田組も庄司の角度のあるハードヒット、池田のクイック気味のスパイクなどで粘り12‐15と食らい付く。それでも、試合の流れは渡さなかった石島/髙橋組。再び引き離して21‐15でマイナビジャパンツアー5勝目を手にした。
この石島/髙橋組、普段は別々の拠点で活動しているため2人でペア力を上げるための練習時間は限られているが、それでもこうして結果を残せているのは「個人で課題を持って取り組み、試合に臨んでいます」(石島)、「得点力、落ち着き、視野の広さといった自分のキャパを広げる努力を続けています」(髙橋)と、それぞれが自己研鑽に励んでいる結果。その意識の高さが、ペアとしての強さにつながっているのだろう。
今季、5勝目を挙げた石島/髙橋組(左が石島)
5度目も敗れた庄司/池田組だが、このままでは終われないはず。次回の戦いに期待したい(左が庄司)
女子決勝戦の対戦カードは、坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組×橋本涼加(トヨタ自動車株式会社)/村上礼華(株式会社ダイキアクシス)組。今季4度目の対戦で、過去3戦の戦績は橋本/村上組が2勝1敗でリード。第1戦立川立飛大会では坂本/沢目組が、第2戦平塚大会と第4戦横浜赤レンガ倉庫大会では橋本/村上組が勝利している。
今季4度目の対戦となった坂本/沢目組×橋本/村上組(手前が坂本/沢目組)
試合は、両チームとも落ち着いたプレーを見せ9‐9まで進むが、ここで流れを掴んだのは橋本/村上組。橋本のナイスディグからのスパイクやサービスエースで12‐9とリードする。しかし坂本/沢目組もすぐに反撃開始。沢目のトスを上げるふりをしてのツー、坂本のドロップで15‐15と追い付いてみせる。その後は、ほぼ点差が付くことなく20‐20のデュースとなり、27‐27まで息詰まる攻防が続いたが、ここから村上のサービスエースでセットポイントを握った橋本/村上組が、続くポイントもゲットし29‐27で第1セットを先取。
橋本はこの第1セット後半の戦いを次のように振り返る。「相手の坂本/沢目組はすごくタフなペアで、落ちたと思ったボールもつないできます。2人で組んでいる時間が長いので、すごく精度の高いバレーをしてくるのです。我慢比べになるのは分かっていたので、こちらもいいコミュニケーションを取りながらプレーすることを心掛けていました。どういう攻撃をされているのか、どういう攻撃が効いているのかを二人で話し、最後の駆け引きのところで取り切ることができたのがよかったと思います」
息詰まる第1セットを先取したのは橋本/村上組(レシーブしているのが村上)
続く第2セット、村上が「サーブとディフェンスが機能しました」と振り返ったように連続ブレークに成功した橋本/村上組が10‐4と大きくリードする。結局、その後もリードを広げた橋本/村上組が21‐12で坂本/沢目組を振り切って優勝した。今季、初のタイトル獲得に「うれしいの、ひと言。今シーズン、状態は悪くなかったのですがずっと勝てていませんでした。川崎市長杯でも優勝しましたが、こうしてマイナビジャパンツアーで優勝の経験が積めることは選手としてうれしい」と橋本。村上も「これまで競った場面で勝ち切れないことが多く、そこを勝ち切れたのは成長している証し。地元(兵庫県南あわじ市)が近くて家族や友達が大勢応援に来てくれていたので勝ててよかった」と今季初優勝をかみしめていた。
今季初優勝を飾った橋本/村上組(右が橋本)
粘りを見せた坂本/沢目組だったが今季2勝目とはならなかった(手前が坂本)
男子3位決定戦、黒川魁/福嶋晃介(ともにNTTコムウェア株式会社)×上場雄也(松戸レガロ)/黒川寛輝ディラン(しながわシティビーチバレーボールクラブ)の試合は、第1セットを黒川(魁)/福嶋組が21‐18で先取するも、第2セットは上場/黒川(寛)組が23‐21で奪い返す。そして迎えた勝負の最終セット、上場のブロック、黒川(寛)が高い打点から広角に打ち分けるスパイクなどで上場//黒川(寛)組が8‐5とリードする。黒川(魁)/福嶋組も黒川(魁)のブロードに動いての打ち込み、福嶋の体をダイナミックに使ったスパイクで食らい付くが、中盤の差を守った上場//黒川(寛)組が15‐11で勝利した。
2人ともサウスポーの上場/黒川(寛)組がフルセットで3位決定戦をものにした(右が黒川(寛))
女子の3位決定戦は、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)と松本恋/松本穏組(ともにフリー)が対戦。第1セットは序盤から接戦となり15‐15と点差が離れなかったが、終盤で抜け出したのは柴/丸山組で21‐16と先取する。続く第2セット、第1セットを奪ってリズムに乗る柴/丸山組が13‐8とリードするも、松本姉妹は穏の2連続サービスエースなどで13‐15と差を詰めていく。しかしその後は、冷静にオープンスペースを狙った丸山のディープ、柴の意表を突いたツーなどで着実に加点した柴/丸山組が21‐17で勝利。柴/丸山組は第6戦都城大会で優勝したあと、第7戦名古屋大会は準優勝、そしてこの第8戦グランフロント大阪大会は3位とツアー終盤になってコンスタントに戦績を残せるようになってきた。
コンビとしての成熟度が増すにつれ戦績を残せるようになってきた柴/丸山組(右が丸山)
最終日はこの他、マイナビジャパンツアーの公式アンバサダー、豊田ルナさん、山口はのんさん、お笑いコンビ「ガリットチュウ」の福島善成さん、熊谷茶さんが登場し、地元の中学生や選手たちとゲームを行うというイベントも行われた。そして、その解説をしたのが、元ビーチバレーボール選手の浅尾美和さん。選手たちの試合とはまた違った盛り上がりを見せていた。
イベントには公式アンバサダー、豊田ルナさん、山口はのんさん、お笑いコンビ「ガリットチュウ」が登場