夏祭りから始まるVへの挑戦。 パナソニックパンサーズが初優勝。
「夏祭りから始まるVへの挑戦」と題して「神谷コーポレーション湘南株式会社presents V.LEAGUE サマーフェスティバル2018 inお台場ビーチ」が7月22日(日)、 東京都港区「THEODAIBA 2018」内ビーチバレーボール特設コートで開催された。
この大会は、一般社団法人日本バレーボールリーグ機構(以下・Vリーグ機構)が10月26日(金)に開幕する新生V.LEAGUEのプロモーションの一環。「夏祭りから始まるVへの挑戦」の文字通り、新リーグの魅力をファンに発信するフェスティバルとなった。
新Vリーグのプロモーションイベントがふんだんに盛り込まれた
午前の部には、公式応援ソングを発表、お昼にはVリーグディビジョン1に所属する女子チームの代表選手たちが駆けつけ、各ホームタウンのプロモーション、午後には7月25日(水)から同会場で開幕する「FIVBワールドツアー東京大会」の告知など、数々のPRイベントが盛り込まれた。またフェスティバル終了後には、選手8人とファンがナイトクルージングで東京湾から夜景を見ながら距離を縮めるなど、ファンサービスを行った。
夜景を楽しむ選手たち
試合においても、普段の公式で味わうことができない新鮮味溢れる企画が満載だった。コートサイドでは、プロサックス奏者・サブ片山氏が中心となり、ジャズを披露。また時には和太鼓の演奏も交えて、Vリーグにもジャパンツアーにもない和洋折衷の音楽で灼熱のビーチを包み込んだ。
ビーチバレーボールワールドツアーの会場で開催された
戦いの舞台となったのは、25日から開幕する「FIVBワールドツアー東京大会」のメインコート。パナソニックパンサーズの今村貴彦が「自分は宮崎出身で、ビーチで遊びながら育ってきた。こんなすばらしい環境でビーチバレーボールの試合ができることに感謝したい」と述べたように、約1300席のスタンド席に囲まれ、国際大会使用の砂が敷き詰められた特設コートで、2人制による21点制1セットマッチが合計16試合、行われた(特別ルールとして指がばらついた時のオーバーハンドの適用は認められた)。
小柄ながら安定したプレーを見せた東京ヴェルディの宮田
1回戦総当たりのグループ戦を1位で勝ち上がり、準決勝に駒を進めてきたのは、パナソニックパンサーズの今村貴彦/久原翼組、豊田合成トレフェルサの重村健太/内山正平組、富士通カワサキレッドスピリッツの岩井浩二/柳田百織組、東京ヴェルディの浅岡遥太/宮田航輔組の4チームだった。
今大会旋風を巻き起こしたのは、出場チーム中最小の東京ヴェルディの浅岡/宮田組。オフシーズン中は週末、ビーチに足を運ぶこともあるとあって、風の中でも際立つボールコントロールで相手のいないところに攻撃を仕掛けていく。
グループ戦で圧勝すると、準決勝は富士通カワサキレッドスピリッツと対戦したが、「どのチームも身体能力が高い選手ばかり。少しでもネットにボールが近づくと、なす術なく太刀打ちできないと思った。そこをどう戦えるかが鍵になってくると思う」と浅岡。12チーム中唯一、正規のルールでプレーし体力も消耗される中、そこを攻略できず準決勝、3位決定戦で敗れ、4位に終わった。
優勝したパナソニックパンサーズの今村の攻撃
決勝戦は、パナソニックパンサーズの今村/久原組、富士通カワサキレッドスピリッツの岩井/柳田組との対戦となった。難なくグループ戦、準決勝を勝ち上がってきたパナソニックパンサーズだが、大会直前に出場予定だった兒玉康成から久原へ急きょバトンタッチ。練習できない状態で今大会に挑んだが、「1試合目を勝てたことで波に乗れて、試合をするごとに成長することができた」と久原。
サーブで攻めてブロックでプレッシャーをかけ高いディフェンス成功率から、久原、今村ともにしっかり強打を打ち切っていく。最後まで自分たちのビーチバレーボールを貫き通したパナソニックパンサーズは、富士通カワサキレッドスピリッツを21-16と振り切り、初優勝を遂げた。
表彰式の模様
今村は、「富士通と東京ヴェルディはミスが少なく、ビーチではそういうチームが上ってくるんだなとわかった。ビーチは2人しかないので、声のかけ合いが大事。それはインドアでも同じだと思うので、しっかり声をかけあってボールつないで得点まで結び付けていきたい」と、今大会の収穫を口にした。そして次なる戦いの舞台となる秋から始まる新リーグに向け、「夏場にきつい練習をして、それを自信に変えてパンサーズのバレーをしたい」と、意気込みを語った。