ビーチバレーボール

二見梓×長谷川暁子 ペア対談 ビーチバレーボールに夢中。 『ツヨカワ』なところを見てほしい

二見梓×長谷川暁子 ペア対談

ビーチバレーボールに夢中。

『ツヨカワ』なところを見てほしい

2017年からペアを結成した二見梓(東レエンジニアリング)と長谷川暁子(NTTコムウェア)は、昨シーズンの国内戦11戦中4勝。瞬く間に日本のトップランカーとして名乗りを上げた2人は、イタリア・ローマを拠点に海外で合宿を積み、世界を転戦している。そんな二見と長谷川にパートナーの存在、今後の抱負を聞いた。

——『ジャパンビーチバレーボールツアー2018第1戦東京大会』をはじめ、『ビーチバレージャパン』で優勝するなど、昨年は飛躍を遂げるシーズンとなりました。大きな成果を得られたという実感はありますか?

長谷川:むしろ私の中では、大きな成果はなかったと思っています。そうではなく、毎日の小さな積み重ねが、結果として表れてきた。2人で頑張って、徐々にステップを踏んでいけているという感覚ですね。

二見:昨シーズンで言うと、私にとってはジャパンツアーで優勝することが初めての経験でした。そこから始まって、世界でも白星を重ねるうちに、目標が少しずつ上がってきた。一歩ずつ階段を上がっている感覚で、たとえば技術の面でも、「これができるようになった」「あれができるようになった」と目の前の目標を一つずつクリアしてきた感覚です。

長谷川:チームを作るって、そういうことだと思うんです。アズ(二見)と話をする中で、「こういう時はこういう動きをしよう」とか「こんな場面ではこうやって助けよう」とか「2人でこうやって点を取りにいこう」というのが試合を積み重ねるごとにわかるようになってきました。

二見:私はコーチから教わることを「そうなんだ」と聞きながら、それを信じてコートの上で表現するだけ。それがシンプルでいいのかなと思っています。世界のトップ選手を見てすごいと思ったことを真似したり、単純にそういう好奇心なのかなって思っています。

長谷川:もともと2人ともビーチバレーボールの経験はそれほど長くなかったからね。もし、私がベテランだったら、「ビーチバレーボールってこうだから」っていう固定概念が入っていたと思う。だけど、コーチの指導を素直に受け入れることで、視野が狭くならなくてよかったのかもしれません。


2017年は11戦4勝した二見と長谷川

——お2人にとって、パートナーはどんな存在ですか?

長谷川:いつも、「人間と人間としてつき合おう」という話をしています。私はアズの好きなところを知っているし、逆にアズの人間的なところ――もしかしたらそれが嫌なところであっても、「アズってこういうところがあるんだよなあ」って受け入れられる。でも、それが人間じゃないですか。完璧じゃないし、時にはミスもする。逆に、アズから見ても、「アキさんってこういうところがあるんだよなぁ」って受け入れてもらっていると思っています。

二見:海外に行くと、よく「姉妹なの?」って聞かれますよね。

長谷川:そう。「双子じゃないの?」とかね(笑)。

二見:日本人からすると、違う顔に見えるじゃないですか。でも、外国人からすると、同じに見えるらしいです(笑)。

長谷川:だからもう、アズのことを「妹みたいに思えばいいんだ」って思っていますよ。最初は私が「若く見られた」って喜んでいました。だって、7歳も違うんですから。双子っていうことは、少なくとも同い年に見えるっていうことでしょう(笑)。

二見:私は3人兄妹の長女で、お姉ちゃんがいる感じが最初はわからなかったんです。だけど、今は海外での生活の方が長いし、家族よりも長い時間をアキさんと一緒に過ごしている。そうすると、日本に帰ってきてアキさんにちょっと会わないだけで、話したいことがいっぱいあることに気づきました(笑)。いつもは言いたいことをすぐに言っていたけど、ちょっと離れただけで「あれ?」って思う。初めての感覚でしたね。

——技術、その他の面での成長はありますか?

長谷川:すごくたくさんあります。パス、セット、その他のスキル…、たくさんあるんですけど、何よりゲームメークが一番成長したところだと思います。まだ勉強している最中ですが、最初はそれがわからなかった。今はゲームの組み立て方を理論的に学んでいて、自分の経験や相手のクセを見ながらゲームを回しています。もちろん、それをするための必要なスキル、あるいは動き方もコーチが教えてくれる。それは、今まであまり教わったことがないものでした。アズは体つきもすごく変わったね。

二見:はい。インドアの時にやっておけばよかったと思うくらい、今、しっかりと体づくりをしています。スパイクの安定感はもちろん、今までに比べて疲れにくくなりました。肩で息をしなくなったし、試合が終わった時の体の感じも違います。

世界で勝つことが2人の目標

——ファンの皆さんにはどんなところを見てもらいたいですか?

二見:私たちはどちらかというと、声援が力になるタイプのチームだからね。いっぱい応援してくれたら、「やったろうぜ!」っていう気持ちになる(笑)。

長谷川:先日、中国で試合をした時に、DJが日本の曲を流してくれたんです。日本語で「ガンバレー!」って言ってくれることもありました。海外で日本語の声援を聞くことがなかったのでうれしかったですね。

二見:アグレッシブで思い切りのいいプレーを見てほしいですね。

長谷川:そうだね。あとは、最後までボールをつなぐところ。ツヨカワなところでもいい(笑)。何でもそうかもしれないけど、夢中になっている時って強いと思う。だから、夢中になってプレーしているところを見てほしいです。

——2020年の東京オリンピックに向けて、今シーズン、来シーズンはどんなプランを立てていますか?

長谷川:まず今年は、ワールドツアーで20位以内に入ること。そこでしっかりポイントを取って、世界で戦えるチームにしていくことが目標です。もちろん、そのための技術やメンタルも身につけていきます。来年はワールドツアーのポイントがオリンピックの出場権にも大きく関わってきて、オリンピックランキングの15位に入れば必然的に出場の条件がクリアできる。そこを目指していきたいと思っています。

二見:今の段階でも世界のチームに勝つことはあるけど、難しいのは「勝ち続けること」。体力づくりも大事だし、いろんな準備も必要です。勝てば勝つほど試合が多くなりますからね。そういうことが必要だとわかってきたので、しっかりと実行していきたいと思います。