西村/越川組、開幕戦を制す。 得点源となった『ミリオンダラーショルダー』

ビーチバレーボールの国内最高峰ツアーである「ジャパンビーチバレーボールツアー2018 第１戦 沖縄大会」最終日が4月15日(日)、沖縄県中頭郡西原町の西原きらきらビーチで開催された。
同時開催となった「RBCビーチバレーボール大会」も盛り上がる中、メインコートでは「ジャパンビーチバレーボールツアー2018 第１戦 沖縄大会」を締めくくるにふさわしい開幕王者を決める戦いが行われた。

越川のスパイクサーブ

男子決勝戦は、西村晃一(WINDS)/越川優(横浜メディカルグループ)組と、清水啓輔(社会福祉法人ひまわり福祉会)/ 長谷川徳海(愛媛県競技力向上対策本部)組の対戦。
今年１月までペアを組んでいた長谷川と越川だったが、「お互い話し合った末の決断。自分自身が成長していくための選択をした」と越川は単身でアメリカ、長谷川は男子日本代表の合宿地・ブラジルに渡った。

越川は今年45歳を迎えるベテランの西村とペアを結成。アメリカ・ロサンゼルスでオリンピックメダリストのケリー・ウォルシュ・ジェニングスのプロコーチの指導を受け、新シーズンをスタートさせた。
西村は、「コーチは越川のプレーを『ミリオンダラーショルダー』と言っていた。その肩を活かすのは、お前だとずっと言われ続けていた。それほど価値ある宝だと思う」と合宿を振り返る。

越川vs長谷川の攻防戦

決勝戦第１セット序盤からは、その『ミリオンダラーショルダー』が火を噴いた。
越川の強烈なスパイクサーブが効果的に決まり、主導権を握った西村/越川組は、6-2とリードを奪う。
だが、清水/長谷川組も、西村の攻撃を長谷川がシャットアウトし、15-13と逆転。両者一歩も引かない展開となるが、西村/越川組は終盤にきて越川のサーブポイントで19-19と同点に追いつくと勢いそのまま、21-19で第１セットを先取した。

第２セットは逆の展開。西村/越川組の機動力を活かしたコンビネーションの息が合い始めたが、そのタイミングを読み始めた長谷川がブロックポイントを連発。中盤から清水/長谷川組がいい流れを握って離さず、21-10とセットを奪い返した。

第３セットも観客が固唾をのむような緊張感の溢れる試合展開となる。そんな中、流れを引き寄せたのは、西村/越川組。西村が威圧感のある長谷川のブロックを利用してブロックアウトをとりにいき、9-6とリードを奪い始める。
小雨が降る中でも、越川がオーバーハンドセットを巧みに使い、西村/越川組のコンビネーション攻撃は精度を増していく。最後の最後も越川のスパイクサーブで相手を崩し、15-9と決着をつけた。

今後は、ワールドツアーにも参戦していく西村/越川組

越川は、転向から２シーズン目でジャパンビーチバレーボールツアー初優勝。他のトップチームが国際大会参戦中とはいえ、西村とのペア結成期間もおよそ１ヵ月と考えると、合格点と言えるだろう。
越川自身も、「アメリカでやってきたことが間違いではなかった。大きな１勝だと思う」と手ごたえを感じていた。

しかし、西村/越川組の本当の勝負は、4月28日、29日に開催される「JVAカップ兼アジア競技大会代表チーム選考大会」。
越川が「そこでの結果次第で、今シーズンのすべてのスケジュールが決まってくる」と言えば、西村も「開幕戦で優勝したのは忘れて、質のいい練習を積み重ねて最速のスピードで強くなっていきたい」と、気を引き締めた。
今シーズンは、ワールドツアーと国内戦、連戦を戦っていくという西村/越川組に注目だ。