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「本気」と「覚悟」を決めて戦いに挑む 東京2020オリンピックに向けて女子日本代表・中田久美監督が会見

公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)は東京都内のホテルからリモート方式で記者会見を行い、女子日本代表チーム・火の鳥NIPPONの中田久美監督が第32回オリンピック競技大会(2020/東京)の女子バレーボール競技に出場する12人の内定選手を発表しました。

会見の冒頭、鳥羽賢二ハイパフォーマンス事業本部本部長兼女子強化委員長が「いよいよ東京2020オリンピック本番が約3週間後に迫ってまいりました。女子日本代表チームは5月25日(火)からイタリアのリミニで開催された『FIVBバレーボールネーションズリーグ2021』で予選ラウンドを12勝3敗の3位で通過し、初めてファイナルラウンドへの進出を果たしました。しかし、準決勝のブラジル戦で1セットは奪ったものの敗戦し、3位決定戦では予選ラウンドで勝利したトルコに残念ながら敗れ、4位で大会を終了しています。ネーションズリーグの最後の2試合では、東京2020オリンピックの表彰台に上がる厳しさを思い知らされ、チームにとって貴重な経験になったと思います。本番の前哨戦であったネーションズリーグを最高の学習にしなければならないと考えています。東京2020オリンピックではもう一つギアアップして臨めるよう、残された日程で最大限の努力をしてまいります」と挨拶および振り返りを行いました。

そして、今後のスケジュールについて、「今後は東京オリンピックに向けて、帰国後14日間待機の代替措置の運用を行うことでスポーツ庁より承認を得ているので、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)での練習を明日7月1日(木)より再開する予定です。その強化合宿を経て、7月19日(月)にオリンピックの選手村への入村を予定しています」と説明を行いました。

東京2020オリンピックのメンバー発表に際し中田監督は「この5年間に強化指定選手に選出し、そしてともに戦ってくれた50名の選手たちは、毎シーズン全力で、女子バレー界のために、自分の夢を叶えるために、頑張ってくれました。今回のこのチームの集大成となるオリンピックを戦う選手、しかも普段の国際大会の登録人数よりも少ない12名の選手を、簡単に決めることはできませんでしたが、私なりにこの50名の選手たちに対する敬意と感謝の気持ちを込めて選びました」と話しました。

選手選考にあたり、4つの観点を重んじたという中田監督。「まずは『心(しん)』、オリンピックの舞台でもプレッシャーに負けないメンタルの強さや、ここ一番での勝負強さを持ち、全力を出し切れる力があるか。2つ目は『技(ぎ)』、メダル獲得に必要な水準で、チーム戦術に適合し、コート上で発揮できる卓越した技術があるか。3つ目は『体(たい)』、限られた12名の一員として、コンディション面で不安がなく、8試合を戦い抜ける強い身体、コンディションを兼ね備えているか。そして4つ目は『わ』。これは4月の記者会見で申し上げた、3つのわ(「我」「和」「輪」)の部分。世界一小さい日本がオリンピックのような大舞台で屈強な世界各国に勝つには、それぞれが持つ高い個の技術、力だけでは及びません。チームの団結力を最大限にするためにどのような(メンバーの)かけ合わせがよいのかを考えました」と説明しました。

中田監督はポジションごとの選考基準についても言及し、セッターは「ゲームの流れをコントロールし、スパイカー陣の能力を引き出せるトスワーク」、アウトサイドヒッターは「多少崩されてもチーム全体でカバーし合えるサーブレシーブ力と、とにかく海外の上位国に引けを取らない打力で点を取る力があるか」、ミドルブロッカーは「速さと機動力を兼ね備えたスパイク力や、ラリー中に振られた状況でもよいタッチができるブロック力、さらにはスパイクレシーブやつなぎの力」、そしてリベロは「守備としての安定性に加え、コート上で臨機応変に指示ができる力や、2本目のセッティングの安定性」を選考において重視したことを明かしました。

27日(日)にイタリアより帰国した火の鳥NIPPONは、東京都内のホテルで2週間の自主隔離を行ったのち、合宿場所を味の素トレセンに移し、約3週間後に迫った東京2020オリンピックに向けて、最終調整を行います。

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