日本代表

世界選手権まで1カ月 第3次ラウンド進出を目指す火の鳥NIPPONが会見

バレーボール女子日本代表チーム・火の鳥NIPPONは24日(水)、オンラインで記者会見を行いました。会見には眞鍋政義監督と、この日発表された「2022世界選手権」に向けて合宿中の選手16人が出席し、今シーズンのこれまでを振り返るとともに、来月23日(金・祝)に開幕する世界選手権に向けた意気込みを語りました。

◆眞鍋政義監督

いよいよ世界選手権の開幕まで1カ月となった。我々の目標は第3次ラウンド進出だが、今回の世界選手権では、第1次・第2次ラウンドのグループは非常に厳しいゾーンに入った。一致団結して、この目標を達成できるようベストを尽くしたい。2カ月に渡って行われたネーションズリーグでは、はじめは8連勝、その後は5連敗となった。スピードを速くしているので、セッターとの精度を高めていかないと世界の強豪とは互角に戦っていけない。また、サーブも我々にとって大きなウェイトを占めていると思う。ネーションズリーグでは中央のバックアタックを少し速くしたが、それが非常に効果的だということがわかった。あとは精度。またこれは従来からずっと言われていることだが、敗れるときは被ブロックやミスが多い。そこは従来と変わらない。いかにスパイクの効果率を上げるかにかかってくると思う。また、後半サーブのスピードが遅くなることが多いので、今回の合宿ではスピードガンを取り入れており、またミーティングでも選手に度々言及している。サーブのスピードは世界選手権の勝敗に大きくかかわってくると思う。

◆キャプテン・古賀紗理那選手
ネーションズリーグの前半戦は幅のある攻撃やサーブでしっかり8連勝することができたが、後半にかけて疲労もあり、精度が少しずつ落ちて5連敗という結果で終わってしまった。いい勉強になったので、世界選手権に向けてそういったところも含めて精度をさらに上げて臨みたい。オフェンスは精度を上げてスパイカーが選択肢をたくさん持てる攻撃をしていく。海外の選手をフリーで打たせてしまうと高いところからすぐに決められてしまうので、サーブで崩して、少しでもストレスかかるスパイクを打たせられるよう、サーブアンドブロックからのオフェンス、その精度をさらに高めたい。キャプテンだからというわけではなく、チーム一人ひとりが繋がりを持って戦うことが勝つためにはとても大切になる。”助け合い”だと思っているので、そのようなチームを目指していきたい。

◆内瀬戸真実選手

今シーズンはネーションズリーグにアウトサイドヒッターで出ることが多かったが、最近はリベロに挑戦していて、ディフェンスの安定を意識して練習している。世界選手権では自分の安定したディフェンス力でメダルを獲得できるように頑張りたい。
ネーションズリーグではスピードのある攻撃は通っていたと思うが、ディフェンスの面で、もう少し相手のスパイクに対して取れるボールを点数に繋げていければ、スピードのある攻撃が(さらに)通用してくると思うので、日本は身長が小さい分、ディフェンスをもう少し上げていかないといけない。
ブロックとディフェンスの関係は大事だと思う。今日から合宿が始まって、ブロッカーとレシーバーが声をかけ合いながらやっている。そこ(の関係)をさらに詰めていきたい。

◆石川真佑選手
ネーションズリーグを通して、コートに入った時にサーブで相手を崩したり、得点できたりしたのは良かった。反省点としては、ディフェンス面とオフェンス面でもう少しレベルアップしていかないといけない、と感じた。世界選手権に向けて、サーブはしっかり自信を持って継続してやっていきたい。ディフェンス・オフェンスは自分自身も意識して今取り組んでいることなので、それをしっかり試合で出せるようにしたい。高さのない分ディフェンスをしっかりしていかないと勝てないと思うので、ブロックとディフェンスの関係や、また攻撃の部分では自分たちがしっかり4枚攻撃に入ることが大事だと思う。サーブのスピードについて、ジャンプサーブで90kmを出すことを眞鍋監督からは言われているので、そこはネーションズリーグを終えてから取り組んでいるところ。現在、最高で86kmあたりなので、(数値を)しっかり出せるようにしていきたい。

◆島村春世選手

ネーションズリーグで8連勝できたことはすごくよかったと思う一方、その後の連敗が自分たちの課題だと思っていて、試合の前半はよかったかもしれないが、後半で相手に圧倒される場面が多かったので、後半の集中力が自分たちの課題と思うので、そこを頑張って修正していきたい。自分自身、世界大会でメダルを取ったのはU23というアンダーカテゴリーでの銅メダルだけなので、メダルの獲得に何が必要か、自分の中で確かなことはないが、このチームに一番必要なのは精度の部分で、自分たちのバレーボールができている時、自分たちのバレーボールというのはスピード感のある攻撃ができていて、またサーブで攻めてそこからのオフェンスができている時、それができている時に8連勝できたということは、自分たちの力だと思っている。そこまで持っていける精度を詰めていければ、メダルにも近づけると思う。

◆小島満菜美選手

ネーションズリーグでは最初8連勝したものの、その後5連敗ということでチームとしても悔しい思いをした大会だった。自分たちのいいところも悪いところも見つけられた大会になったので、今はそのうちの課題の部分に向き合っているところ。世界選手権では今シーズン取り組んでいる速いテンポのバレーと、それを実現するために1本目のレシーブの精度はすごく大事だと思うので、リベロとしてそこの精度をもっと上げていけるよう準備している。

◆井上愛里沙選手

ネーションズリーグでは前半8連勝といういい形でスタートできたが、後半は負けてしまった。チームとして若さやフレッシュさといった勢いは出だしの方があったし、前半は自分たちがサーブで相手を崩していい状態で攻撃をさせず、そこからディフェンスをして点数を取る形が自分たちの勝ちパターンだと気付けたのは良かったが、後半は連戦で疲労もあって、コンディション作りやコンビの精度がどんどん落ちてきてしまって、そこを立て直すことができなかったという課題もある。そういった課題をこの1カ月(克服するために)練習してきた。世界選手権に向けて、ネーションズリーグの出だしのような、自分たちがしたかったバレーボールをもう一回精度高くできるようやっていきたい。(日本はチーム内に)スーパースターがいないので、チームとしてどれだけ点数を取れるかが鍵。前衛でも後衛でも、それぞれのポジションでのバックアタックが必要。全員が攻撃に参加する意識と、それを決める力が必要になると思う。1年に1回のメインの大会なので、自分のプレーをたくさんの人に見てもらう機会でもあるが、東京オリンピック2020が終わった翌年ということで、世界に何が通用する、しない、をもっと見極めていきたいと思うし、特に点の取り方、今までVリーグで通用していたことも海外では通用しなかったり、打ち方、入り方を変えなくてはいけなかったり、そういうことにどんどんトライしていきたい。

◆籾井あき選手

合流して1カ月が経ったが、チームプレーということもあり、一人ひとりとのコミュニケーションを大事にしていこうと思っていて、毎日一人ひとりのことを考えたりする時間が多い。世界選手権に向けて時間がない中で、詰められること、細かいことをチーム全員で共有しながらも、いいことはいい、これは良くないよね、と共通認識を持ちながら勝ちにこだわってやっていきたい。
日本は高さがあるチームではないので、サーブからのブロックディフェンス、そこからのトランジションの攻撃の決定率を落とさないというところで、相手の攻撃を拾った後にどれだけ確率よく決定できるか。サイドアウトに関しては何本もローテーションを回さないと得点できない、という状態が増えると勝てないので、どれだけサイドアウトを短い点数で取れるかということは大事になってくる。(同じセッターである)竹下佳江監督付戦略アドバイザーの「トスは愛情だよ」という言葉にはっとさせられ、原点に帰った。気持ちとしても変わったし、プレーだけでなくアタッカーとのコミュニケーションなど信頼関係を構築する部分でも、その言葉を聞いて心が動いた。

◆林琴奈選手

ネーションズリーグでは最初8連勝といういい勢いのまま進めたが、最後5連敗と、チームの精度が後半になるにつれどんどん下がってきたり、また身長の高い選手を相手に被ブロックやミスが増えていい流れが掴めなかったりしたので、そこは反省点。世界選手権では自分たちの目標である第3次ラウンドを突破して、メダル獲得に向けてチーム全員で戦っていきたい。日本は身長が高くないチームなので、自分たちのミスが出てしまうと流れがつかめず相手に点数が入ってしまうことも多いので、まずはミスを出さずにしっかり攻めていきたい。また、ずっと言われていることではあるが、被ブロックが多い時は試合に負けていることが多いので、そこは工夫しながら一人ひとり意識を持ってやっていきたい。ネーションズリーグでは、ディフェンスでのディグを強みにしていて、まだまだではあるが通用する部分があった。課題は被ブロックやミスが増えていたことで、高い選手相手にも決めきれる取り方を練習してきたので、それを(試合で)出していきたい。

◆山田二千華選手

ネーションズリーグの反省点としてはミドルの印象がない、というのがチームとしても出た。オフェンス面でミドルのラリー中の印象をこれからもっとつけないといけないと感じていて、サイドアウトからではなくラリー中のミドルが大事だと思った。ミドルのブロックの駆け引きもしていかないと、世界とこれから戦う上では難しいなと感じている。駆け引きの部分でもコーチから出た要望などをミドルから発信していくことがこれから重要になる、と感じた。今のチームはスピード感のあるオフェンスをしているので、そのためにも最初の攻撃でミドルがやられないのがこれからの攻撃のベースで大事になる。そこで得点しないと、自分たちが活躍することもできない。ミドルの決定打もそうだが、そういったところがオフェンス力に繋がってくると思う。

◆福留慧美選手

ネーションズリーグには帯同できなかったが、合宿を通して自分の課題を一つずつクリアできるようにコーチやチームメイトから色々吸収してやってきたので、世界選手権では自分の持ち味を生かしてチームに貢献できるよう頑張りたい。日本はスピードを生かした連携プレーがすごく大事になってくると思う、ネーションズリーグでもサーブで攻めて、そこからスピードだったり、4枚攻撃だったりといった日本のいいところが出た試合は勝てていた。そこを出せるよう、チームで一つとなって一戦一戦を戦いたい。自分はリベロなので、1本目の質にはすごくこだわってやっていかないと、日本の速いスピードがより精度高くできないと思う。自分自身の1本目の球質や、出す場所もそうだし、そのためにはブロックアウトの連携や、横の人との関係がすごく大切になってくると思うので、そこはコミュニケーションを取ってやっていきたい。

横田真未選手

日本代表として初めてネーションズリーグで戦って、出場機会はあまり多くはなかったが、(出場した試合は)どうやったら自分が世界で通用するかを学んだ試合となった。チームとしては最後、連敗で終わってしまったが、その中で修正点を見つけて、今は自分たちの目標である世界選手権ベスト8に必ず入るために取り組んでいるところ。
日本は世界に比べて高さがないので、今取り組んでいるスピードにおいて世界1位にならなくてはいけない。スピードをしっかり機能させていくこと、またスピード感のあるバレーでありつつ、しっかり精度も高めていくことが重要となる。
Aパスからスピードを出すのは今もできているが、BパスやCパスなどの少し崩れた状態で、相手がブロックを絞りやすい状況になった時に、日本のアタッカーだと世界のブロックに対し高さで勝ることはできないので、そういった状態からでもアシストでテンポのいいトスを持っていって、ブロックアウトやリバウンドでの切り返しで点数にしていくことが大切。

◆小川愛里奈選手

ネーションズリーグには初めての代表選出ということで、挑戦する、という気持ちで挑んだ。国内とは違い高さのあるチームと試合をすることが多く、国内であれば決まるボールもなかなかうまく決まらない、と感じた。また、ブロックの駆け引きにおいて、自分の力が足りなかったと感じている。今シーズンの集大成である世界選手権では、チームとしてもミドルの決定力を求められているので、持ち味である自分の攻撃面で、その決定力を最大限発揮したい。またブロックにも取り組んできているので、それらの課題を克服できるよう精いっぱい出し切りたい。

◆宮部藍梨選手

ネーションズリーグのフィリピン大会から参加させてもらって、8連勝して雰囲気も良く自分たちのバレーボールが展開できていた後に連敗してしまった。それを踏まえ薩摩川内で練習していたが、私たちがそこで一番取り組んでいたのがスピードバレー。いかに速く相手のブロックが完成する前に攻撃するか、というのが私たちの一つの目標、課題なので、小さいことかもしれないが、世界選手権ではそういう部分を詰めて、自分たちのバレーボールが展開できたらと思う。チームとしてはベスト8以上が目標なので、達成できるよう頑張っていきたい。ネーションズリーグで8連勝できていた時は攻撃にスピードがあった。相手のブロックが完成する前に打てていたり、中央からの攻撃、ミドルやバックからの攻撃で相手のブロックを拡散することに成功していたりしたのが勝利につながっていると思う。そこが世界選手権でいい結果を残すための一つのポイントになってくる。

◆関菜々巳選手

ネーションズリーグを戦って、前半は8連勝という、自分たちで勢いをつけていい形で勝てたことは自分自身の自信につながった。その後のカナダ大会からの5連敗は反省の残る試合だったので、そこでの反省を生かして世界選手権に向けて頑張りたい。個人的には、ミドルとバックローの攻撃を交えた組み立てをセッターとしてできるようにしていきたい。(スピードのある攻撃について)ただスピードが速いだけではなく、アタッカーの打点を意識している。スピードがあってもアタッカーの打点を生かせないと結局ブロックに捕まってしまって、ネーションズリーグのカナダ大会ではスピードにフォーカスしすぎて、アタッカーの打点を生かせていなかったと思う。世界選手権ではスピードを意識した中でも、しっかり高さを出していきたい。
シーズン中の一番大きな大会に出るのは初めてなので、とにかくまずここに残れたことを嬉しく思う。次はレギュラー争いということになると思うが、そこを意識するのではなく、チームが勝つために今の自分が何をすべきかだけに集中していきたい。皆レベルの高い中でやっていて、毎日悩むこともたくさんあるが、その中でも、自分で考えながら、打破しながらやっていくことが、苦しいことも多いがすごくやりがいに感じている。

◆宮部愛芽世選手

今シーズンは代表のユニフォームを着て試合(公式戦)をすることはなかったが、全ての合宿に参加させてもらい、これまで私がテレビで見てきたトップ選手と一緒にプレーすることで、バレーボールに対する考え方、またもちろん技術面でも成長することができたと思っているので、そこを次はユニフォームを着て発揮できるようにしていきたい。世界選手権では、もし出場することができたら、これまで(試合に)出られなかった悔しさをプレーに乗せられるようにしたい。今も皆で練習する中で、自分の良さや、また良くない部分もあるがそこをカバーしてくれるメンバーがたくさん揃っているので、若手らしくフレッシュに思い切ってプレーできたら、と思う。

◆佐藤淑乃選手

今回初めて代表に選ばれて、世界を相手に戦うことも初めてだったが、相手の高さや、スパイカーのパワーはやはり日本人とは全く違うと感じた。その中で自分が日本チームにどう貢献できるかを考えた時、自分の強みとしているオフェンスとサーブで貢献していきたい、と思った。ネーションズリーグ中に課題が見つかり、うまくいかないこともあったが、チームの先輩選手にアドバイスしてもらって改善できたり、また帰って来てからも先輩や同い年の宮部愛芽世選手とともに外国人選手相手にも通用するような練習をしたりしてきた。オフェンスとサーブでチームに貢献することで、目標のベスト4にしっかり入りたい。サーブでしっかりブレイクを取ることが大事。サーブで攻められるのはチームに勢いがある時だと思うし、サーブで攻められなくなったらチームの勢いは弱くなる。サーブを攻め続けられるメンタルと日々の練習が大切だと思う。

火の鳥NIPPONは29日(月)まで味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)にて合宿を行い、30日(火)に事前合宿を行うオランダへと出発します。オランダには1週間ほど滞在し、その後「パリオリンピックプレ大会」参加のため9月7日(水)にフランスに移動します。「パリオリンピックプレ大会」ではベルギー、アルゼンチン、フランス、カナダ、コロンビアと試合を行い(ほか順位決定戦も実施)、その後世界選手権第1次ラウンドの開催地となるオランダに20日(火)に入り、25日(日)に大会初戦でコロンビアと対戦します。

火の鳥NIPPONの世界選手権第1次ラウンドはTBS(地上波)にて全試合生放送がございます(第2次ラウンド以降の放送は未定)。今シーズンの集大成に挑む火の鳥NIPPONに、たくさんのご声援をよろしくお願いいたします。