社会貢献活動

指導と暴力の間に隠れた「未暴力」に目を向ける「暴力撤廃アクション」を開始 ~ウェブサイト開設・新聞広告を展開~

日本バレーボール協会(JVA)は、バレーボール指導の現場において、暴力・暴言・ハラスメントなどいき過ぎた指導が問題となっている状況を危機感を持って受け止め、「暴力撤廃アクション」を開始いたします。本アクションは、昨今のスポーツ指導の在り方を見つめ直し、指導現場から暴力を完全に撤廃することを目的として立ち上げたものです。

JVAは暴力の撤廃に向けてこれからも断固たる決意で臨みます。加えて、この「暴力撤廃アクション」では、暴力的指導になるさらに前の段階で防ぐことができたのではないか?という視点から、指導の現場にある、明らかな「暴力」とは判断しづらいが、将来的に暴力に発展する可能性を秘めた、注視すべき状態である「未暴力」について皆さまと一緒に考え、話し合うきっかけを作り、暴力的指導への発展を防ぐことを目指してまいります。

具体的なアクションとして、3月24日(金)に「暴力撤廃アクション」のウェブサイトを開設するほか、3月25日(土)に日本経済新聞に啓発メッセージを掲載いたします。また今後も継続的な取り組みを実施し、指導現場の改善に努めてまいります。

■暴力撤廃アクション 第1弾:暴力撤廃アクションのウェブサイトを開設

3月24日(金)に、「暴力撤廃アクション」のウェブサイトを開設いたしました。サイトでは、“それって、指導ですか?暴力ですか?”という問いかけのもと、「未暴力」を含む暴力の実態や捉え方について学ぶコンテンツや、指導の方法を学ぶ「グッドコーチングセミナー」の動画、悩んでいる方に向けた「相談窓口」などをご紹介しています。指導する側、指導を受ける側、そしてその周辺の全ての関係者にとって有益となる情報を提供することで、バレーボール界全体の暴力撤廃に対する意識および理解力の向上を狙います。

暴力撤廃アクション ウェブサイト

■暴力撤廃アクション 第2弾:3月25日(土) 日本経済新聞に啓発メッセージを掲載

3月25日(土)発行の日本経済新聞に、日本バレーボール協会として暴力撤廃を目的とした啓発メッセージを掲載いたします。“それって、指導ですか?暴力ですか?”という問いかけとともに、指導現場で起こり得る、
一つの事象に対する指導する側・指導を受ける側それぞれの考えをコピー化して記載しています。これは、一概には判断できない「未暴力」状態も含めた暴力問題があることに気付いていただくことを狙いとしています。またハッシュタグ「#指導ですか暴力ですか」を通じて、SNS上で暴力撤廃に関する議論が活性化されることも目的としています。

■暴力撤廃アクション 第3弾:暴力撤廃を宣言する指導者宣誓の実施とロゴマークの掲出

指導者自身の意志を変えていくアクションとして、今後JVAが主催する各種大会では、指導者が暴力撤廃を宣誓する「指導者宣誓」を実施いたします。指導者宣誓は選手宣誓の対となり、指導者が、選手を含む全てのステークホルダーに対して指導のあり方を見つめ直し、議論のきっかけとなることを目的として行います。また、暴力撤廃アクションのロゴマークを大会会場に掲出し、暴力撤廃に対する意識と理解の向上を目指します。

暴力撤廃アクションのロゴマークについて

「暴力」・「未暴力」を撤廃していくためには、一つひとつの事象について、関係者がオープンに話し合っていける環境が重要です。そこで、「暴力」・「未暴力」に気付き、それに対して手を挙げて問いかけることで暴力を制止する行動喚起を表現しました。エクスクラメーションマークをモチーフに、手を挙げる様子、さらにその手を重ねて暴力をブロックする手を表しています。

■日本バレーボール協会 会長 川合俊一コメント

日頃は日本バレーボール協会の活動にご理解・ご協力をいただき厚く御礼申し上げます。この度弊会は新たな「暴力撤廃アクション」に取り組むことを発表いたしました。会長に就任してから一年、様々な改革に取り組んでおりますが、暴力的指導の撤廃は非常に大きなミッションです。ここに改めて、日本バレーボール協会はこの問題に真正面から向き合うことを表明いたします。

スポーツの指導現場における暴力的行為は絶対に許されるものではありません。暴力的指導の撤廃については、今までも各世代の指導現場で様々な形で取り組み、弊会も指導者の教育や相談窓口の開設などを通じて対策を講じてまいりました。これからも私たちは暴力的指導に対しては厳しく対処していきますが、同時に、暴力的指導となる前の段階で防げたこともあるのではないか?という視点に注目したのが今回のアクションです。

指導する側、指導を受ける側、そしてその周辺にいる全ての関係者も、ともにバレーボールを愛し、ともに目標に向かって前進しようとするその過程で、指導中の行動や発言の誤りに互いに早い段階で気が付けば、よりよいバレーボール生活を送ることができるのではないでしょうか。一度立ち止まって自分や相手の気持ちを考えてみること、そして少しでも疑問に思ったら誰かに話してみること、シンプルなことではありますが、それが暴力的指導の撤廃においてとても大切なことなのではないかと考えています。

暴力的指導は状況や人間関係によってその発見が難しく、その対策に終わりはありません。この「暴力撤廃アクション」の開始を機に、指導現場でこの問題に取り組んでくださっている皆さまとともに、より一層真摯に「暴力」・「未暴力」と向き合っていく所存です。皆さまどうぞご支援のほどよろしくお願い申し上げます。