日本代表

火の鳥NIPPON・眞鍋政義監督が会見「パリでのメダルには今年度の出場権獲得が必須」

女子日本代表チーム・火の鳥NIPPONの眞鍋政義監督が3月27日(月)、都内で記者会見を開き、本日発表した2023年度登録メンバー40人への期待と、パリ2024オリンピックへの出場権獲得に向けた意気込みを語りました。

会見ではまず、中村貴司女子強化委員長が今シーズンの活動計画を説明しました。

「2023年度は大事な『FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』(以下、OQT)がある。また、現在パリ2024オリンピックに向けて強化を行っているが、その次の世代にもつなげていく必要がある。今年度はU16という新たなアンダーエイジカテゴリーの大会が生まれた(『第1回アジア男女U16選手権大会』が7月に行われる)。U16、U19、U21、ユニバーシティゲームズと、多くの大会が2023年度に行われる。アンダーエイジカテゴリーを含めた一貫指導をもとに日本代表を強化するというのが骨子であり、強化の基本宣言である。パリ2024オリンピックの出場権を必ず獲得する、飛躍の年となるよう、強い思いで臨む。OQTは9日間で7試合という非常なタイトなスケジュールなので、体力面、精神面も含めて強化を図っていきたい」と力を込めました。

また各大会について、「フル代表はOQTを挟み、前には『アジア女子選手権大会』、後には『アジア競技大会』が控えている。本来同じメンバーで戦うのが望ましいのかもしれないが日程的に難しいため、アジア選手権はOQTのメンバー以外の14名、アジア競技大会に関してもOQTのメンバー以外の12名の登録で臨む(OQTは眞鍋監督が指揮を執り、アジア選手権、アジア競技大会の監督については別の方で調整中)。今後合宿などを行ってまずは『バレーボールネーションズリーグ2023』(以下、VNL)に向けた選手の選考を行っていくが、基本的にはこの40名の中から前述の3つの大会への選手を選出していくことになる。4月3日(月)から合宿を開始し、40名から約20名にメンバーを絞って、5月9日(火)から新たな合宿を開始し、VNLもそのメンバーで戦う。それ以外の選手はアジア選手権、アジア競技大会に向かうという流れ。どの大会も重要なので、いい成績が残せるように頑張っていきたい。日本のバレーボールは素晴らしい、と世界に対して示していきたい」と語りました。

あわせて、「各チームから若手有望選手を選出してもらって、育成のための合同合宿を行っていきたい」と新たなプロジェクトについても言及。「(各大会への登録は)原則40名の中から選ぶが、素晴らしい成長を遂げた選手がいれば場合によっては選考される、ということもあるかもしれない。夢を持って活動してほしい」とメッセージを送りました。

その後、眞鍋監督が「東京2020オリンピックの10位からスタートして、昨シーズンは世界での突破口を開くという意味で”Breakthrough(ブレイクスルー)”をスローガンに掲げ、VNLでは7位、世界選手権では5位、FIVB世界ランキングのポイントも50ポイント上げることができ、9位から6位までランクを上げることができた。昨シーズンは1年間、世界一のサーブレシーブを目指し、安定をはかった。特にオフェンスにおいてサーブレシーブはよかった。日本独自の集計だが、チームのアタック効果率が30%を超え、世界のレベルに非常に近づいてきている。その一方、ブロックでは世界との差が大きく、ここは我々のウィークポイントだと思う。何より一番の問題点はサーブで、世界選手権が終わってスタッフと何度も振り返りを行う中で、今後最も改善すべきはサーブ、ということに至り、これまでと違った角度から強化していきたいと考えている」と改めて昨シーズンを振り返りました。

そして今シーズンについて、「2023年は何といってもOQTが日本で開催される。東京2020オリンピックのように出場権が与えられるわけではなく、自分たちの力で掴み取る必要がある。万が一そこで獲得できなかった場合はFIVB世界ランキングで上位に入るしか(パリ2024オリンピック出場への)道はない。パリ2024オリンピックで目標としているメダルを獲得するためには、どちらで出場できるかが非常に重要なポイントとなる。OQTの場合はその後約300日準備に費やせる。反対にOQTで出場権が取れなかったら、来年のVNLの後、パリ2024オリンピックまで約40日しかない。OQTで出場権を獲得できるかどうかは、メダル獲得という目標達成に大きくかかわってくる」と、OQTの重要性を語りました。

40名の登録メンバーのうち初選出は12名。「(唯一の高校生である)秋本美空選手はバランスの取れた、将来有望な日本を背負う選手。今回のアジア選手権やアジア競技大会で日の丸をつけて戦ってほしい。小林エンジェリーナ優姫選手は身長196cmと、日本にないこの高さはやはり一番欲しいところ」と新戦力にも期待を寄せました。

キャプテンには昨年に引き続き古賀紗理那選手を指名。眞鍋監督は「スパイクやブロックもいい。ブロックは世界のアウトサイドヒッターの中でも5本の指に入る。そして今回、V.LEAGUEのサーブ効果率でも1位。日本代表でも大活躍してほしい」と語りました。火の鳥NIPPONを支えるスタッフ陣や、”Breakthrough”に替わる今年度のスローガンについては、5月に実施予定の記者会見にて発表することとしています。

チームは4月3日以降、V.LEAGUEが終了した選手や大学所属の選手から段階的に味の素トレーニングセンター(東京都北区)に集合し、V.LEAGUE閉幕後の4月下旬に本格始動します。パリオリンピック出場権獲得に向けて2023シーズンをスタートする火の鳥NIPPONに、たくさんのご声援をよろしくお願いいたします。

関連リンク

2023年度火の鳥NIPPON

選手・監督・スタッフ

チームスケジュール

国際大会スケジュール