龍神NIPPONは6位で本大会終了 アメリカとイタリアがリオデジャネイロオリンピックの出場権を獲得! FIVBワールドカップ2015
「FIVBワールドカップ男子大会」が9月23日(水・祝)、国立代々木競技場第一体育館と東京体育館(ともに東京都渋谷区)で最終日となる大会11日目を迎えました。Aサイト(国立代々木競技場第一体育館)に出場している全日本男子チーム・龍神NIPPONはロシアと対戦し、セットカウント2-3(29-27、17-25、25-21、17-25、13-15)のフルセットで敗戦。本大会の通算成績を5勝6敗の6位で終えました。
第1セット、序盤に連続得点を重ね6-1とロシアを引き離しますが、2回目のテクニカルタイムアウトを前にアルチョム・ボルビッチ選手のクイックで14-15と逆転を許すと、ドミトリー・ムセルスキー選手のスパイク、マキシム・ミハイロフ選手のブロックで18-21とさらにリードを広げられます。しかし、清水邦広選手(パナソニックパンサーズ)のサービスエースなどで23-23と同点に追い付くと、柳田将洋選手(サントリーサンバーズ)のスパイクなどで得点を積み重ねデュースに持ち込み、最後は石川祐希選手(中央大学2年)のスパイクとブロックが決まり、29-27でロシアを振り切ります。第2セット、5-7とロシアにリードを許すと、中盤には立て続けにスパイクをシャットアウトされ、13-17とリードを広げられます。さらにアルチョム・ボルビッチ選手のクイックを皮切りに5連続得点を喫すると、最後は17-25でロシアにセットを取り返されます。第3セット、石川選手の連続サービスエースなどで7-2とスタートダッシュに成功すると、清水選手のスパイクや柳田選手のバックアタックなどで16-10とします。セット後半にさしかかったところで、ロシアに立て続けに連続得点を奪われ19-17、20-19と詰め寄られますが、粘り強いディフェンスから清水選手のスパイクが決まると、最後は相手のサーブがミスとなり、25-21で2セット先取に成功します。第4セット、日本は山内晶大選手(愛知学院大学4年)のクイックや石川選手のスパイクなどで得点を重ねますが、ムセルスキー選手に立て続けにスパイクをシャットアウトされ10-14とリードを許す展開となります。なんとか点差を縮めたい日本は柳田選手や清水選手のスパイクで食い下がりますが、このセット途中から出場のイリヤ・ ブラソフ選手に相次いで得点を許し、17-25でフルセットに持ち込まれます。第5セット、石川選手のスパイクで先制しますが、ロシアのムセルスキー選手のクイックやセルゲイ・グランキン選手のブロックポイントを決められ4-6とリードを奪われます。清水選手のスパイクなどですぐさま6-6の同点に追い付きますが、6-8とロシアの一歩リードでコートチェンジを迎えます。終盤、清水選手のスパイク、サービスエースで13-13の同点に追い付いた日本ですが、ブラソフ選手のスパイクでマッチポイントをロシアに奪われると、最後は相手サーブを返球することができず13-15でロシアに敗れました。
◆この試合のサイドアウト率/ブレイク率
日本:65%/28%
ロシア:72%/35%
◆南部正司監督
相手に先行される場面があっても諦めずに同点に追い付くなど、今までであれば(相手に)そのまま持って行かれた展開でも踏ん張ることができた。最後のところでサービスエースを決められたのは、悔しいがまだ我々の経験不足の部分だと思う。本大会で得られたものはたくさんあるし、チームは成長してきていると思う。世界のトップレベルのチームからセットを取ったのはたまたまではないし、自分たちの色が出たときは点が取れている。課題は明確なので、2016年に向けて今以上のチームを作れるように努力していきたい。
◆キャプテン・清水邦広選手
序盤から集中して臨めたセットはサーブカットもできていい進め方ができたが、最初にリードされると相手のサーブが強くなり先行されてしまった。日本は4年前と比べてチームに伸び代があると感じたし、やっていて楽しかった。日本はオリンピックに向けてまだまだ強くなれるチーム。もう1度個人が何をやっていけばいいか考える必要があると思う。
◆深津英臣選手
世界に勝てる力はついてきているが、勝てていないという状況。全員がひとつになって戦っていきたい。
大会前から真ん中からミドルブロッカーを使った攻撃を増やせるようにと考えていたが、(日本のミドルブロッカーが)イランのセイエドモハンマド・ムーサビエラギ選手のように流れながらでもクイックを打てる選手のようにやっていかなければ、今日のように手詰まりになってしまう。
◆柳田将洋選手
世界ランキング2位のロシアを相手にフルセットに持ち込めたのは自信になった。しかし、東京大会の3連戦(アルゼンチン、ポーランド、ロシア戦)で勝ちきれなかったのは大きな課題。自分自身にとって、ワールドカップ11連戦を戦ったのは大きな経験だったが、それ以上に課題が見つかった大会だった。
◆石川祐希選手
フルセットで負けはしたが、内容としては悪くなかった。大会初日と比べて、チームが1つになっていったと思う。(全日本チームが解散して)自分は大学に戻るが、(プレーの)レベルに差があっても高い意識をしっかりもって戦っていきたい。大会中、サーブがうまくいかない時が途中にあったが、自分のベストが出れば世界に通用すると感じた。あとは体力や集中力の部分などを補っていけたらと思う。
◆ウラジーミル・アレクノ ロシア監督
大会の最後の試合を勝利で終えることが出来てよかった。ただ、大会全体を振り返ると課題は多く残されている。ロシアは強いと言われてきたが、今日ではそれほどでもなく改善すべき点は多い。フィジカル面では勝っているかもしれないが、技術的にはアメリカ、ポーランド、イタリアなどの強豪国には劣っていた(大会だった)。
◆9月23日(水・祝)の試合結果
【Aサイト】
イタリア×ポーランド 3-1(26-24、22-25、25-22、25-19)
日本×ロシア 2-3(29-27、17-25、25-21、17-25、13-15)
アメリカ×アルゼンチン 3-1(25-20、25-21、17-25、25-20)
【Bサイト】
エジプト×イラン 0-3(18-25、11-25、23-25)
カナダ×チュニジア 3-0(25-19、25-21、25-17)
オーストラリア×ベネズエラ 3-1(25-16、25-21、22-25、25-21)
本大会は、出場12チームによる1回戦総当り戦で行われます。
なお、最上位2チームに与えられるリオデジャネイロオリンピックの出場権は、本日23日(水・祝)に行われた第1試合で2014男子世界選手権チャンピオンのポーランドを破ったイタリアと、アルゼンチンを破り、見事優勝を果たしたアメリカが獲得しました。
なお、個人賞ではセカンドベストアウトサイドスパイカー賞に石川祐希選手が選ばれました。
8月22日(土)に開幕したワールドカップもついに閉幕の日を迎えました。大会期間中は、火の鳥NIPPONと龍神NIPPONに熱いご声援ありがとうございました!10月に開幕を迎えるVリーグや各地で開催中の天皇杯皇后杯などの会場にも、ぜひ足をお運びいただきバレーボールへご声援をお送りください!
○FIVBワールドカップ2015 男子大会 最終順位表
1位:アメリカ(10勝1敗、勝点30) ☆リオデジャネイロオリンピック出場権獲得
2位:イタリア(10勝1敗、勝点29、セット率=3.750) ☆リオデジャネイロオリンピック出場権獲得
3位:ポーランド(10勝1敗、勝点29、セット率=2.818)
4位:ロシア(8勝3敗)
5位:アルゼンチン(7勝4敗)
6位:日本(5勝6敗、勝点16)
7位:カナダ(5勝6敗、勝点13)
8位:イラン(4勝7敗、勝点12、セット率=0.666)
9位:オーストラリア(4勝7敗、勝点12、セット率=0.625)
10位:エジプト(2勝9敗)
11位:ベネズエラ(1勝10敗)
12位:チュニジア(0勝11敗)
○FIVBワールドカップ2015 男子大会 個人賞
ファーストベストアウトサイドスパイカー賞: オスマニー・ユアントレーナ選手(イタリア)
セカンドベストアウトサイドスパイカー賞: 石川祐希選手(日本)
ファーストベストミドルブロッカー賞: セバスティアン・ソレ選手(アルゼンチン)
セカンドベストミドルブロッカー賞: セイエドモハンマド・ ムーサビエラギ選手(イラン)
ベストリベロ: エリック・ショージ選手(アメリカ)
ベストセッター: マイカ・クリステンソン選手(アメリカ)
ベストオポジットスパイカー: イバン・ザイツェフ選手(イタリア)
MVP: マシュー・アンダーソン選手(アメリカ)