女子日本代表チーム記者会見 最大の課題であるサーブに「タスクフォースを組織して取り組む」
バレーボール女子日本代表チームが5月8日(月)、都内で2023年度のキックオフ記者会見を行いました。会見には眞鍋政義監督のほか、本年度の登録メンバーから選抜された選手25人が出席し、今シーズンの意気込みや目標を語りました。
眞鍋監督は冒頭、「来年行われるパリ2024オリンピックでメダルを獲得するのが最大の目標。そのためには、9月16日(土)から日本で開催される『FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』で出場権を獲得したい。1992年のバルセロナ大会以降、オリンピックの1年前に出場権を獲得したという歴史は男女ともにない。それだけ難しいことだと思っているが、ぜひチャンスを掴みたい。また、5月30日(火)に開幕する『バレーボールネーションズリーグ2023(VNL)』ではベスト4を目指して戦っていきたい」と今シーズンの目標を語りました。
その後、眞鍋監督は今シーズンのチームスローガンを発表。「今年は『OVERTAKE』。世界を越えよう、というスローガンとともにこの1年間やっていく。去年は『Breakthrough』、世界への突破口を見出そうというスローガンだったが、世界選手権やVNLでも目標を達成することができ、ある程度世界に追いついたと思う。今年はさらに世界を追い越したい」と説明しました。
眞鍋監督は昨シーズンを振り返り、「世界選手権ではアタック効果率が30%を超えた。選手が頑張ってくれて、これは2008年の北京オリンピック以降初めてとなる素晴らしい数字となった。また世界一のサーブレシーブ返球率を誇り、2位のチームとも差が開いた」とするも、「パリ2024オリンピックでメダルを取るため、出場権を獲得するための最大の課題はサーブ。これまで毎年強化をうたってきたが、今年・来年で本格的に強化しないと我々の目標は達成できないと思っている。去年もサーブを重点課題の一つとして取り組んできたが、パリ2024オリンピックでメダルを獲得できる水準には届いていない。サーブミスこそ少なかったが、日本はブロックで劣るため相手にAパスされる確率が強豪国に比べて高かった」と分析。それらを踏まえ、「パリ2024オリンピックまで、特別なチーム”タスクフォース”を作って重点的に取り組む」と発表しました。タスクフォースのリーダーは眞鍋監督が務め、以下は川北元総括コーチ兼サーブコーチ、油谷浩之・木下恒司ストレングスコーチ、増村雅尚さん(九州産業大学教授)、渡辺英児メンタルコーチ、渡辺啓太監督付特命戦略コーディネーター、上原伸之介・塩川健吾情報戦略兼アナリスト、そしてアントラージュ from ロンドンのメンバー4人(竹下佳江監督付戦略アドバイザー、秋本(旧姓大友)愛さん、荒木絵里香さん、中道瞳さん)の計13人でサーブの強化に取り組みます。「コーチの指導に加えて、スポーツ科学の専門家や、選手目線でアドバイスができるアントラージュの力を借りてタスクフォースを結成する。選手にも、サーブで崩せない選手はメンバーから外すことになると伝えており、それくらい我々にとっての武器である、ということ。限られた期間の中で、日本の叡智を結集して全力で取り組みたい」と説明しました。記者会見ではタスクフォースに加えスタッフの紹介も行われ、こちらよりご確認いただけます。
◆キャプテン・古賀紗理那選手
「今年はパリ2024オリンピックの切符をかけた戦いがあるので、そこに向けてチーム全員で戦っていきたい。初選出の選手もいるし緊張感はある。まだ合流して日は浅いが、フレッシュに戦っていけたらいいなと感じている。特に日本チームは高さがない分、チームとして戦っていくことが大切になってくると思うのでそこを頑張っていきたい」
◆長岡望悠選手
「ワクワクするようなチャレンジができることをとてもありがたく思っている。覚悟を持って楽しみたい。緊張もあるが、チームが去年積み重ねてきたものがあると思うのでそこにしっかり自分がアジャストしていけるようにやっていきたい。(代表選出を聞いた時には)色々な人生の流れがあると思うが、しっかり(その)流れに乗ってみよう、と思った。自分自身のフィジカルももう一段階上げないといけないと思うので、技術的な面も含め質を高めていきたい」
◆石川真佑選手
「今シーズンはどのような状況であっても自分の持っている力をしっかり出せるよう、自分らしさを忘れずに頑張っていきたい。年齢は下の方ではあるが様々な経験をさせてもらっているので、その経験をプレーにも反映していきたいし、コミュニケーションも取っていきたい」
◆小林エンジェリーナ優姫選手
「本当に夢のよう。日本でバレーボールをするのは初めてなので、これから頑張るべきところはたくさんある。(代表選出は)全く予想しておらず、すごく驚いたが嬉しかった。いつも楽しくバレーボールできる選手になりたい。自分のストロングポイントはブロック。高いところにタッチができるので」
また、最後にサプライズで記者会見当日に誕生日を迎えた井上愛里沙選手をケーキでお祝いしました。井上選手は「このような場で祝っていただくことはなかなかないので本当に嬉しい。こうして皆さんと出会えたことに感謝して、28歳は最高だった、と思える1年にしたい」とコメントしました。
女子日本代表チームは4月上旬から味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で行っていた合宿を本日で終了し、記者会見に出席した25人が会見終了後にサンアリーナせんだい(鹿児島県薩摩川内市)へ移動。日本ガイシホール(愛知県名古屋市)で行われるVNL名古屋大会に向けて合宿を行います。
今シーズン最初となるVNLの初戦は5月30日(火)に行われるドミニカ共和国戦です。VNL女子大会が日本で行われるのは2019年以来4年ぶりとなります。チケットは好評発売中ですので、ぜひ会場にて女子日本代表チームへ声援をお送りください(チケットの詳細はこちら)。